第八章
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「強いね、それって」
「強いですか?向こうを見ないでしたんですけれど」
「向こうを見ないで」
「何かそうすることも時には必要でしょうか」
向こうを見ずに前を出る、それもだというのだ。
「恋路には」
「だから俺も沸騰する茶釜に手を入れて鉄の棒を握ったのかな」
「そうかも知れませんね」
今度は微笑んで渉に言う、そしてだった。
渉の左手、空いているその手を自分の両手で上下から包み込んでこの言葉を出した。
「暫くは私が大島君の右手になりますね」
「左手も護ってくれて」
「そうさせてもらいます」
自分に見せてくれた彼にそうするとも言うのだった、渉はその左手に麻美子の暖かさと優しさを感じて自分の決断が間違っていなかったことを嬉しく思っていた。その手の温もりを感じて。
恋は無敵 完
2012・12・23
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