第一部 全ての始まり
第六話 迷宮区に乗りこむ(中編)
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「まだ来て」
「いるぞ。」
「頼もしい限りだよ。片手剣の狩人くん?」
「そういわれて光栄です、団長さま?」
あいさつ代わりの皮肉を言い合った後、俺は盾をオブジェクト化した。
「ほう……君は盾をつけないと思っていたが。」
「普段はつけないほうがなれてんだよ。剣道とかも持たないし。」
現実世界での俺は、そこそこ運動もできて、頭も働く一般的な学生だ。
蛇足だが、今は中学生だ。だが、この容姿のせいで……。
「キョウヤ!?目がうつろだぞキョウヤ!?」
「キリト〜」
そんなこんなで。
《第一層迷宮区 ボスの間》
「そこだ!」「回復頼む!」
「くそ!何でこんな!」「ぎゃああああ、―――!」
「雑魚を先にしとめろ!」「キリト、交代!」
「ふっ!」「怯むな!前だけみればええ!」
地獄と化していた。
たとえプログラムが作ったとはいえ、それはリアルすぎる。
慣れていても、心のどこかで恐れる。
「まだ倒れないのか!」
その声が、戦場に絶望を引く。
「があ―――――!!!」
一つ一つの声の間に、硬質な音。
「くらえええええ!!!」
俺は、ボス―――『イルファング・ザ・コボルト・ロード』にスキルを叩き込むと、キリトと交代した。
「めんどくさいな、こいつは!」
ポーションを飲みながら俺は言う。
その瞬間、
その瞬間、
『ぞくっ』
言い表しがたい嫌な感じ。
「キリト!一回戻れ!」
キリトも、何かを感じたらしく、いったん戻ってきた。
「ボスの動きが止まった!今だ!」
一斉にかかろうとするプレイヤー。
「みんな止めろ!様子がおかしい!」
俺が言うが、誰も耳を傾けない。
一部の人は、ボスから離れているが。
「何で止めるんだよ!手柄は渡さねえよ!」
「指揮官も進めって言ってるしな!」
俺の声を無視して進むプレイヤー。
その中には、―指揮官―ディアベルの姿も―――
ボスの目が、笑っている。
俺には、そう見えた。
そこから俺は、あまり覚えていない。
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