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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十五話
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」
ゾルザルの言葉に遂に伊丹もキレてゾルザルの顎を抉った。ゾルザルはかわす事も出来ずに吹き飛ばされて床に転がる。
「な、殴ったな貴様ッ!! 皇子たるこの俺を殴ったなッ!!」
「この無礼者めッ!! 皇子殿下に手を挙げるとは一族郎党皆殺しの大罪だぞッ!!」
ゾルザルの取り巻きが剣を抜いて身構えた。
「構えろ富田ッ!! 栗山受け取れッ!!」
伊丹が叫び、栗山に向かって九五式軍刀を渡す。
一方、菅原は笑みを浮かべながら皇帝に尋ねた。
「只今皇子殿下が『門』の向こう側から拐って来たと仰られましたがこれは一体どういう事でしょうか陛下。そしてピニャ殿下はこの件を御存知でらっしゃいましたか?」
「ス、スガワラ殿?」
菅原の笑みにピニャは思わず後退りをした。それほどまでにピニャは恐怖を感じたのである。
日本は捕虜の取り扱いにしても人命を大切にしていたのを感じていた。だから此処まで苦労して準備してきた講和交渉をぶち壊しにするほどの事とはどうしても思えなかった。
富田がゾルザルの取り巻きに向けている銃を見て即座に前に出た。
「止めて下されイタミ殿ッ!! 皆も武器を収めよ。何かの間違いじゃ、ここは妾に免じて武器を収めよッ!!」
だが、ゾルザルの取り巻きはそれを無視して剣を構えて少しずつ包囲の輪を広げていく。
ゾルザルは床に倒れたままほくそ笑んだ。
「いずこの国の者かは知らぬがこれで貴様らの国の運命は決したな。国王から民に至ることごとくを殺し尽くし、全てを焼き払ってくれるッ!! 全てはお前の責任だッ!! 我が身の罪深さを思い苦しんで死ぬがいいッ!!」
「ならば戦争だ。苦しんで死ぬのは貴様の方だ。富田、栗山は奴等を敵兵を殲滅しろ。あの馬鹿にはまだ聞きたい事がある」
「了解です隊長殿ッ!!」
富田はニヤリと笑ってベ式機関短銃の引き金を引いた。
銃撃音が聞こえた瞬間、ピニャはこの世の終わりを迎えたような表情をしていた。
ベ式機関短銃の9mmパラベラム弾が次々と取り巻きの鎧を突き破って取り巻きの命を刈り取っていく。
そして栗山は九五式軍刀を持って踊っているかのように取り巻きを斬り捨てている。
生き残りの取り巻きが栗山に斬りかかろうとするが栗山は斬撃をギリギリで避けて摺り足で移動して反撃する。
取り巻きの返り血が栗山に降り注がれるが、栗山は気にせず刈り取っていく。後に聞けば栗山の家は剣道場を持つ家庭であったらしい。
樹も自分に迫る取り巻きにコルトM1903で撃っていた。水野はノリコを守りつつベ式機関短銃を構えている。
数分後には取り巻きは一人も立っている者はおらず、全て床に倒れていた。
「……さて、皇
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