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我が剣は愛する者の為に
気まぐれ
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でおかないと、身体を潰してしまったら手遅れの可能性があるからだ。
最後の問題だが、救援要請してきた州牧がかなりの地位の人間である事。
街の大きさや兵力で言えば、相手の方がかなり上らしい。
将と兵士の練度で言えば、こちらが上なのだが、いかんせん数が多い。
かなりの喧嘩っ早い性格らしく、気に喰わない刺氏や州牧が居れば喧嘩を売るくらい短気らしい。
兵士からの救援要請の内容は。

『至急こちらを援護し、賊を討伐せよ。』

という何とも上から目線からの要請だった。
州牧の任を引き継いだり色々と忙しい今、あまり波風を立たせるわけにはいかない。
戦いになれば民達に影響がおよび、州牧と戦えば勝つつもりではいるが、その後に賊や他の刺氏や州僕が攻めて来るかもしれない。
賊が蔓延っているこのご時世でも攻めてくる奴は攻めてくる。
俺はそれを一度見ている。
華琳もそれを危惧しているらしく、ここは要請を引き受ける事になったのだが、今は連れて行く兵士も少ない。

「姉さん、私が行きましょうか?」

「私と桂花はここに残る必要があるから、必然と華憐と縁に任せる事になるわね。」

「でも、ここの守りがかなり手薄になるが大丈夫か?」

「一応、春蘭達には早馬で討伐が済み次第、至急戻るように伝えてあるわ。
 この隙を狙って、誰かが攻めて来ても籠城して、時間を稼ぐ。」

はっきりとした口調で言う華琳。
それでも、もし攻めてきた場合に二人だけではかなり厳しいのに変わりはない。

「華憐を残して、俺が一人で行こうか?
 最悪、胡蝶もいるし他の奴が攻めて来たら何とかなるだろ。」

「もう一人ついて行った方が、見識の幅が増えるわ。
 何より、要請を出してきた州牧は。」

華琳が何か言おうとした時、扉が勢い良く開かれる。
入ってきたのは不敵な笑みを浮かべる胡蝶だ。

「その話、聞かせてもらったわ。
 私が行くわ。」

「待て待て。
 どこで話を聞いたかは知らんが、お前は今日、非番だろ。」

「そうだったけど暇を持て余していたのよ。
 行けなかったら手当たり次第、兵士に喧嘩売るけどいい?」

どうして俺の仲間には、自分の欲求に素直すぎる人しかないんだよ。
華琳と華憐も胡蝶の言い分を聞いて、呆れたような顔を浮かべている。

「華琳、俺と胡蝶でその要請を引き受けるよ。」

「お願いするわ。」

「んじゃ、編制とかはこっちでやっておくわね。」

「あ、あの、城に残す分も考慮してくださいね。」

「分かっているわよ。
 それじゃあ、また後で。」

扉を閉めて、胡蝶は去って行った。
いつになくやる気を出している所を見ると、本当に暇してたんだなあいつ。

「頼むわね。
 多分、あの子を制御できる
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