第六十六話 お〜王族だらけだな
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ステリアは焦った表情で丁寧に頭を下げる。
「いやいや、気にしないでもらいたい。それに、ここには我々しかいない。そう畏(かしこ)まらなくてもいいんだ」
「は、はい」
今度はギルバニアが優しく諭(さと)すように言う。
ステリアはホッとしたように胸を撫で下ろす。
「それに何も初めて会うわけでもないんだ。少し期間が開いたが、こうしてまた会えて嬉しく思う。クーも楽しみにしていたしな」
ステリアはクィルの方にチラリと視線をやると、彼女は微かに微笑む。
そのとおりですという意味を込めてだ。
「うん、しかし綺麗に育ったもんだなステリア王女は。クーも負けてらんねえな! ははは!」
「いえいえ、クィルネス王女もリアウェル王女も一年前とは比べ物にならないほどですよ!」
ギルバニアとブラスのそんな言葉にクィルは恥ずかしさで顔を伏せる。
ステリアも同様の様子で固まる。
リアだけは、静かに慣れた感じで微笑している。
「だから気楽に話しかけてくれ、ははは」
「感謝致しますギルバニア王。そのお心の広さ、痛み入ります」
そう言って言葉を発したのは、ギレンだった。
「はは、相(あい)も変わらず丁寧な物言いだなギレン」
ギルバニアは微笑しながら視線を彼に向ける。
「あ、あの……」
その発言で、場の視線を釘づけにしたのはまたもやステリアだった。
今度はブラスもギレンも苦笑してしまう。
基本的には代表同士の会話には入らないのが常識だからだ。
それも相手が国王同士なのだから、常識を逸脱(いつだつ)し過ぎているステリアの行動に彼らが苦笑するのも無理は無かった。
たとえ今しがたギルバニア自身に許しをもらったとはいえ、普通は自重するのが嗜(たしな)みというものだ。
だがギルバニアは、素直に自分の言葉を受け止めて実行してくれたステリアを喜ばしく思い、ニカッと笑う。
「何だ? 聞きたいことがあるなら何でも聞いていいぞ?」
「さ、先程の大会のお話のことなのですが……」
遠慮がちになりながらもしっかりと言葉を放つ。
初めて言葉を交わす相手ではないが、それでも相手は一国の主。
話す時はいくらステリアでも緊張する。
「……何かな?」
「はい。ニアノエル王妃様が、先程仰(おっしゃ)られたことが気になったのです」
すると、ギルバニアは顔を筋肉が少し硬直する。
だが、当の本人であるニアは、まるで自分のせいではないと言わんばかりにそっぽを向いている。
「き、気になったとは?」
「はい。あの子が参加すると仰られました。そして、子供にプレゼントするようなものだとも」
ギ
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