episode2闇の化身
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そこは地表深く何者かが何を目的に作ったのか分からない、だが一つだけ分かる事がある。それは何者かのために作られた空間である事は分かる。
その証拠に空間の奧には一つの漆黒の玉座が置かれている。玉座は漆黒ながらまるで黄金のように輝いている。だがその輝きは邪悪である。だがそこに神々しさがあり言うならば『悪神』が座るに相応しい。
そんな玉座の数メートル離れた場所に突如として影が膨れ上がる。膨れ上がった影は炎のように燃えながら人が一人通れるであろう大きさになる。そこから一人の青のフードを着た者が姿を現す。
その者は男とも女とも言える。何故なら体が半分ずつだからである。左側は女で右側は男、その者の名はあしゅら男爵。
「王よどうかその姿を現して下さい」
男と女の声が同時に空間に響く、声が響き終わると玉座の周辺の空間が歪み1人の男が現れる。
その男はまるで何度も人類滅亡を企てた闇の住人を凪払い駆逐した人類の守りであり、光の民の『仮面ライダー』に似ている。いやほぼ仮面ライダーと瓜二つだろう。その体は漆黒である。そして身に纏うオーラはまさに【王】である。
「ジュドー様。ご報告に上がりました」
「…あしゅらよ躰には慣れたか?」
そこまで大きい声では無いが空間に良く響く。
「はっ!! ジュドー様から頂いた、この躰は素晴らしく既に慣れました!!」
ジュドーから予想外の質問され慌てふためき内心失礼の無いよう頭を最大限に頭を働かせる。もし失礼があれば容易に自分は跡形も無く『消滅』させられるだろう、何故なら自分の替えは『無限』にいるのだから。
「そうか、それは良かった。わたしはあしゅらお前に期待をしているぞ」
「はっ!! これからもジュドー様のお役に立てるよう未来永劫忠誠を誓います」
「そうか…では報告を始めろ」
「御意。今現在我らの組織の人数は順調に増えております」
「そうか。それは良い、『同胞』が増える事は良い事だ。だが足りぬまだまだ足りぬ。更に増やすのだ」
「はっ!!」
「ではわたしはそろそろ戻るとしよう。これからも頼むぞ、あしゅらよ」
ジュドーはそう言い残すとまるで霧のように消える。
あしゅらはジュドーが消えるまで片膝を付く、そして何分かしてあしゅらは立ち上がる。
あしゅらは分かっていた、あの御方の言われる『同胞』とは意味が違うと、あの御方が言われる『同胞』とはいくらでも替えが効く便利用品であると。
「だが私期待に沿わなければならない。あの御方のために」
あしゅらはそう言い残し、ここに来た闇の回廊の中に入って行く。
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