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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二幕 「その男達、苦労人につき」
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・・・」とかおかしな声が聞こえるが、ユウの耳には届いていないようだった。・・・まぁ聞こえていない方が幸せだろうが。

ガララッ

「・・・うん?何かあったのか?」
「あ、織斑先生。えぇっと、まぁ竜巻が通り過ぎた後と言いますか・・・」
「・・・??まあいいか。では改めて―――」

遅れてやってきたスーツ姿の美人女性。何を隠そう一夏の姉にして世界最強の呼び名が高い織斑千冬だ。関羽ではないので気を付けよう。もしも間違えたらもれなく頭をひっぱたかれるからね。
で、担任の挨拶に生徒たちの大半が耳が割れんばかりの黄色い歓声を上げたがそれも無理はない。何せモンドグロッソ(第一回IS世界大会)で総合優勝を果たし、「ブリュンヒルデ」の異名を持つほどの人物。会えるだけでもかなりの幸運なのだから、今彼女のファンたちは天にも昇る気分だろう。とはいえこのままでは話が進まないと感じたのか千冬は生徒を軽く諌める。

「静かに!さて、遅れてすまんが実はこのクラスにもう一人編入してくる生徒がいる。・・・デッケン、入って来い」
「・・・はい」

抑揚のないか細い返事と共にゆっくり歩いて教室に入ってきたその人物に、クラス中がざわめいた。何故ならその生徒は“男”だったからだ。
無表情で教壇に上るその少年は、一言でいえば細かった。低めの身長、頭を渦巻くプラチナブロンドの癖毛、その年齢にしては体の肉が妙に少なく、肌の白さの所為か非常に顔色が悪く見えた。不摂生に見えるほど痩せてはいないが、かといって健康そうかと聞かれれば若干首を傾げる。何というか、失礼だが風が吹けばそのまま倒れそうな男だと一夏は感じた。

「ねぇ、彼ってひょっとして2番目に見つかった・・・」
「おかしいと思ったのよね。他のどのクラスにも男の子の名前がなかったから」
「わ、肌白〜い・・・それに細いな〜」

「静かにしろと言ったはずだ。・・・デッケン、自己紹介をしろ」
「・・・ベルーナ・デッケン。イタリアから来ました・・・趣味や好物は、特にありません」
「デッケンはかなり病弱でな。その関係でお前たちと一緒の教室での授業はあまり受けられない。実技試験や体育科目はドクターストップが掛かっているために出来ない。今ここにきているのもせめて挨拶がしたいという本人たっての希望であり、普段は別室で授業を受けて休み時間は保健室で過ごすこととなっている・・・分かったら振り回したり質問攻めにしないように!ではこれにてSHRを終える。全員次の授業の準備をしておけ」

教師である千冬姉があそこまで念を押すのだから余程体が弱いらしい。
SHRは締めくくられ、当のベルーナはそそくさと教室から出て行くが、その足取りは心なしか少しおぼつかない。後には未だざわめくクラスメイト達が残った。

「行っちゃった・・・何か感じ
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