第一章 三話 小マゼランへ
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り絶対の安全が保証されているが、その付近はそうではない。
以前、ゲート通過直後にデカイデプリがぶつかり装甲板の修復に一週間かかったことがあった。
以来、ゲート通過後は特に周辺の警戒をつよめている。
『………ゲート通過。マゼラニックストリームです。』
遂にユニコーンは大マゼランを離れ小マゼランの領域へと足を踏み入れた。
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マゼラニックストリームには大小マゼラン間を行き来する船を専門で襲うハイエナと呼ばれる海賊がいる。彼らの殆どはリークフレア級やシャンクヤード級といったゼオスベルトユニオン製の高機動艦を扱い、難所で弱った0Gドッグを襲撃する。
ユニコーンの進路上に拠点を構える連中も、そんなハイエナの一団だった。
『リークフレア級10隻にシャンクヤード級5隻、恐らくは旗艦としてカッシュオーネ級が1隻………』
メインオペレーターのゲイケットが敵艦の艦種と数を報告する。
『操舵手、迂回できるか?』
正攻法であれだけの数を相手にするのは骨が折れる。まして、今回は戦闘が目的ではない。マゼラニックストリーム突破のために、少しでも船体の損傷は抑えたいところだ。
『無理でしょうね。相手に近すぎますから、どの道動いたらレーダーに引っかかります。』
甘くない現実を前に、白野は一つの決断を下す。
『戦闘準備、整い次第最大船速で敵拠点を正面突破する。』
敵に気づかれる前に電撃戦を仕掛け、旗艦を撃沈して指揮系統を麻痺させてその隙に離脱する。単艦で複数の敵を突破する際の
セオリーである。
『各砲門開口!APFシールド展開!機関最大!』
次々に報告を繰り返すゲイケット。そして、白野は号令を下す。
『全速前進、戦闘開始。』
ユニコーンのブースターが一斉に起動し、ぐんぐんと敵艦との距離を縮めて行く。
『敵艦、回頭開始しました!攻撃許可を!』
『よし…全砲門目標敵旗艦。撃てっ!』
ユニコーンに搭載された武装はその全てがプラズマ砲である。通常のレーザーと違い高い貫通性能を持つプラズマ砲はボーカノイドのような特殊な鉱石を用いた装甲板以外に甚大な損傷を与える。
そんな兵装に集中砲火を浴びせられたらどうなるかは明白である。
旗艦と思われるカッシュオーネ級は速やかに爆散し、インフラトンの蒼い光を撒き散らしながら消えて行った。
『敵旗艦、撃沈!』
『速度を緩めるな。このまま突破する。』
混乱する海賊を尻目にユニコーンは接近した時同様ぐんぐんと距離を離していった。
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