死神
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じて男は逃げ、隠れ蓑として中層の気の良いパーティーに加わった。
彼らは男を“死神”と知ってもしいたげる事はなく、男はそんな彼らのアットホームな心地よさに甘えた。
だが、ここからが本当の悲劇の始まりだった。
―男が加わって1ヶ月、パーティーは男を残して全滅した。
迷宮区でトラップに引っ掛かったのだ。
失意の男を拾ったパーティーがあった。だが、そのパーティーも、次も、その次も彼の加わったパーティーは全滅した。
次第に噂は広がる。
“仲間殺し”、“大量殺人者”
モンスターによるものからレッドプレイヤーによるものまで、原因は様々だったにもかかわらずそんな否定的な噂ばかりが流れたのは、やはり彼が初の殺人者であり、“ラフコフ”の崇める“死神”だからだろう。
逆にそこまで言われているにもかかわらずなんの実害もないのは、“ラフコフ”のお陰でもあるのだが。
だが男は、どれだけ蔑まれ、恐れられ、周囲からひとが居なくなったとしても、不満とは思わなかった。
いくら自分が手を下さなかったとはいえ、もし彼とパーティーを組まなければ気の良い彼らは死なずに済んだかもしれない。
数回の全滅でそれが分かっていたにもかかわらず、結局は人の暖かさから離れられなかった自分に責任はあるのだから。
“死神”ことザインは、そう話を締め括った。
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