第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
第11話:俺なんてまだまだッス
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(コーミズ村)
マーニャSIDE
私達は生まれ故郷のコーミズに戻ってきた。
アッテムトでウルフが、町を逃げ出す者を募ったが訪れたのは子持ちの連中だけ……
彼の『子供を巻き込むな』と言う脅しを聞き入れた母親達だけだった。
それでも子供達を救える事実にウルフは満足で、村に着いて直ぐに私達に神父さんや宿屋の女将さんへの事情説明を指示してきた。
暫くの間は養生させ、身体が回復し次第この村で働き生活させようと言うらしい。
ひとまず村の人々へ毒ガス難民を引き渡し、この事態を作り出した張本人を捜す。
すると彼は村の外から戻ってくるところだった。
面倒事を私達に押し付けて、一体何処へ行っていたのか?
「あ、マーニャさん、ミネアさん……村長さん達は何処にいますか?」
「あっちにいるけど………アンタ何してたのよ!?」
別に面倒事を押し付けられて事に怒ってはいない……ただ、勝手にどこかへ行ってしまう事に寂しさと不安が募るだけだ。
「ごめん、ごめん。ちょっとコレを稼いでたんだ。村長さんに渡して下さい」
そう言うと結構な金額のゴールドをミネアに手渡し、村長へ託す様言い付ける。
もしかして外へ出てモンスターを倒してきたのか?
難民達の為に金を稼いできたのか?
「そのお金……どうしたの?」
「いきなり病気の親子を数人託されても、この村の人達だって大変だろうから……何かの足しになればと思って、少しモンスターを倒してきたんだ。さぁミネアさん……早く村長にお金を!」
「は、はい!今渡してきます」
ウルフに言われ、ミネアは慌てて村長の下にかけて行く。
それにしても格好いいわ!
「本当……アンタ格好いいわね」
「止めてくれマーニャさん……俺は尊敬する師匠の真似をしているに過ぎない。あの人に比べたら俺なんかまだまだ……」
「何言ってるのよ! 本来、術者一人しか移転出来ないルーラを使って、あれ程の人数をアッテムトからコーミズまで運んだのはウルフ、アンタなのよ! 十分格好いいわよ」
そうよ……ルーラを使える事だけでも凄いのに、大人数を一緒に移動させるなんて格好良すぎなんだから!
「それこそ俺はあの人に及ばない! 俺の師匠は、今回俺が運んだ人数よりも多い人数を……しかも大型の船を一緒に移転させる事が出来る人なんだ!」
ふ、船を一緒に!?
幾ら何でも……
「そ、尊敬してるからって話を大きくしすぎじゃないの?」
「俺は師匠と一緒に冒険をした事がある。その時にこの目で見たんだ! 俺だって最初に聞いた時は信じられなかったさ。でも本当に大型船ごと移転しちゃうんだもん……もう憧れるしか出来ないよ」
「……その人が捜しているリュカさんって人?」
「うん。俺の彼女の父親で、俺の上司であり、
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