第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
第10話:大人の事情に巻き込むのは許さないッスよ!
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(アッテムト)
ウルフSIDE
町中の人々を病院(宿屋)に集め、キアリーにより解毒治療を終えたところで、マーニャさん達が戻ってきた。
手には壺らしきアイテムが……多分あれが火薬壺だろう。
体中薄汚れ心身共に疲れ切った顔をしている。
でもこの町で休息する訳にはいかない。
目的の物を手に入れたのなら、早々に離れないと身体を壊してしまうだろう。
「皆さん聞いて下さい!」
俺は意を決し大きな声で病院の人々に話し掛ける。
俺に出来る事をするために!
「皆さんには説明するまでもない事ですが、この町は毒ガスで充満しており、まともに暮らせる環境ではありません。俺達は鉱山の中に捜し物があったので参りましたが、それを見つけた今ここに居る必要がなくなりました」
俺は人々の治療を行った為、かなりの信頼を得ていた。
その俺がもう居なくなると言いだし、人々の顔に不安が滲み出る。
だが仕方ない事だ……一生ここに居る訳にもいかないのだから。
「長期に渡り皆さんの身体を蝕んできた毒素を、俺の解毒魔法で治療した為、今は自力で立ち歩く事が可能になったはずです。しかし完全に体中の毒素を除去できたわけではなく、このままこの町に留まれば直ぐに先程と同じ状態に戻ってしまいます」
毒素自体は微量な物なんだ…
綺麗な空気の場所で安静にしていれば、キアリーがなくとも自然治癒力が勝り完治するはずだ。
この町を離れるのが先決だろう。
「俺達はモンバーバラを始め、キングレオなどを渡り歩きて来た冒険者です。俺達と一緒なら、近隣の町へ安全に行く事が出来るでしょう。自力で歩ける様になった今、直ぐにでも町を離れる事をお勧めします。俺達と一緒に行きましょう!」
俺は筋肉隆々のオーリンを前に出し、町の外のモンスターを退けられる事をアピールする。
こう言う時に筋肉ダルマは役に立つ!
オーリンも急に振られて驚いていたが、筋肉を褒められ笑顔で頷いている。
よかったアホで。
「そうは言うが若いの……ワシ等の家族は、あの鉱山で働いて居るんじゃ……彼等を見捨ててワシ等だけで逃げ出すのは……」
やはりそうか……
「ふざけるな馬鹿! お前等老い先短い老人は良い……だがな、まだ幼い子供を巻き込むんじゃない! 金に目が眩んだ愚かな大人の都合で、多様な未来が残っている子供達を巻き込むんじゃない! 馬鹿な大人などに無理強いはしない……が、子供を持つ親には強制的に来てもらうぞ! 子供には親が必要不可欠だ。子供だけ安全な場所に連れて行っても、一人では生きて行けない。親としての最低限の勤めは果たしてもらうぞ!」
そこまで言い切り、一旦口を閉じて皆を見渡す。
殆どの大人が、俺と目が合いそうになると俯き逸らす。
子供なんてそれ程多くない……殆
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