04平穏
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「どうした、トンクス大尉?」
「閣下の机の上に端末が…」
ドーラはライブルに机の上に放置してあった端末を指した。
「閣下…意外に抜けてるとこあるんだよな…」
「そういえばそうでしたね…」
はあ、とライブルは大袈裟に溜め息をつく。
「どういたしますか?」
ドーラは至極当然の質問をライブルにぶつける。
そんなドーラをライブルはちらりと見ると、若干彼女から目を逸らして答えた。
「閣下の居場所なら分かるんだが…」
「それはどちらですか?参謀長。」
「言わずと知れた海鷲だ。ローエングラム公の元帥府の提督方は大抵そこを利用する。軍の経営だから警備の面も安心出来るからな。覚えておくと後々役に立つぞ。」
「そうなんですか。……あの、閣下にお届けしないと不味いですよね?」
「ああ、不味いな。しかし私は行けない。」
「小官もであります。」
さらりとそう言う男二人にドーラは焦る。
「でもっ!閣下の指揮下でこれを触って良い方は御二人ぐらいしかいらっしゃいません!」
「卿は副官だから触って良い人間の一人だ。問題ない。」
「でもっ!わた…小官は大尉です!海鷲には将官以上の位を有する方しか入れません!参謀長は中将ですし、ビュルメリング少佐も佐官で私よりはまだ入れる余地がありますよ!」
「残念ながら、私はもう帰らないと女房に殺される。」
「私は…人と会う約束をしている。」
平然と言うライブルと少し顔を赤らめて言うビュルメリング。
「………で、小官にこれを届けろ、と?」
「そういうことだ。では宜しく頼む。」
「………了解…」
横暴だ、と小さく呟かれた言葉は、面倒な任務から逃れることが出来て思わずルンルン気分になっている男達の耳には全く入っていなかった。
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