第10話
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「それじゃあ、消えてもらうわ」
部長が手をかざす。
「俺、参上!」
そのとき、壁の穴から人影が出てきた。
「わーお! 俺の上司がピンチっぽい!」
フリード・セルゼン! あいつ逃げたんじゃなかったのか!?
「助けなさい! 私を助ければ褒美でもなんでもあげるわ!」
レイナーレがフリードに向かって叫ぶが、奴はにんまり笑う。
「どう見ても戦況不利マキシマムシュートじゃないですか〜。無理です♪ 諦めてください♪」
絶望的な表情のレイナーレから、フリードは俺に視線を向ける。
「イッセーくん、イッセーくん。素敵な能力を持ってたのね。興味津々なり殺しがいがあるよ! 俺的に殺したい悪魔ランキングトップ5入りだからヨロシク。それと女顔のキミもね」
女顔―――おそらく渚に言ったのだろう。俺たちに明確な殺意が向けられた。
「じゃあね! バイバーイ! みんな,歯磨けよ!」
最後によくわからないことを言いながら、フリードは退場した。
「さて、下僕にも捨てられて哀れね。堕天使レイナーレ」
部長の口調には微塵も同情は感じられなかった。
レイナーレはガクガクと震えている。少しだけ同情したのは彼女が夕麻ちゃんだったからだろう。
「イッセーくん! 助けて!」
突然、俺に助けを求めてくるレイナーレ。それは夕麻ちゃんの頃のものだった。
「グッバイ。俺の恋。部長お願いします」
だが、俺は一切聞く耳持たなかった。少しでも同情した俺が馬鹿だったようだ。
「私のかわいい下僕に言い寄るな。消し飛べ」
悲鳴を上げる間もなく、レイナーレは消滅した。後に残ったのは、宙に舞う数枚の黒い羽根だけだった。
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