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トーゴの異世界無双
第六十三話 ステリアの兄さんってヤバくね?
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安そうに体を預ける。
 ブラスはそんなメアリスの様子を感じ取り軽く苦笑する。





 飛び出したステリアは、苛立(いらだ)ちながら城内を歩いていた。


「おや? どうしたんだスティ、そんな怖い顔して」
「ギレン兄様!」


 ステリアは先程までと違って、笑顔で兄の名前を呼ぶ。
 ステリアの説明を黙って聞いていたギレンは微かに頷く。


「なるほど、スティは政略結婚は反対なのかい?」
「当たり前でしょ? 何が悲しくて好きでもない男と結婚しなきゃなんないのよ!」
「あはは! それはそれは、スティらしいね」
「ディオン兄様や、カウェルだって、政略結婚には反対って言ってたわ」
「え? アイツらが?」


 少し意外そうに言葉を放つ。


「ねえ? ギレン兄様はどう思うの?」


 すると、ギレンは優しそうに微笑むと、ステリアの頭に手を置く。


「僕にだって婚約者はもういるよ」
「知ってるわ。それも政略結婚でしょ? 兄様はそれでいいの?」


 ギレンは軽くステリアの頭を撫でる。


「確かに、親が決めた相手だ。でもね、僕はそれが悪いことだとは思っていないんだよ」
「どうして?」
「だって、会ってみなくては分からないじゃないか。もしかしたら、その相手が運命の相手かもしれないだろ?」
「そんなに都合よくいくわけないじゃない」
「あはは! リアリストだねスティは」
「だってそうでしょ?」
「そうだね。でも、そうじゃないかもしれない」
「そ、それは……」
「何事も、決めつけて捨ててはいけないよ? まずはこちらから歩み寄って確かめてみなければ」
「……で、でもそれでも運命の相手じゃないって分かったら?」
「その時は、考えるね」
「考える?」
「そう。僕は王族に生まれた者だ。今まで生きてこれたのも、民が支えてくれた結果だ。僕はいずれ国を背負う。育ててくれた民に恩返しをしなければならない。だから考える。自分にとって、何が一番の選択かを」


 真剣な兄の顔を見て、ステリアは顔を伏せる。


「それが、運命の相手じゃなくてもいいの?」
「良くは無いさ。でも、それが国にとって最良なら、僕は迷わずその道を選ぶ」
「……アタシは嫌だな」
「そうだね」


 すると、ギレンはそっとステリアの顔を両手で挟む。


「に、兄様?」
「スティ、だからお前は、お前の望む生き方をするんだ」
「え? でも……」
「僕にはできない生き方を、せめてお前はしなさい」
「……」
「もし、好きでもない相手と無理矢理結婚させられそうになったら、僕に言えばいい」
「兄様……」
「その時は、全力で潰してやるよ」
「兄様っ!」


 ステリアはギレンに抱き
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