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トーゴの異世界無双
第六十二話 な、なんてことすんだてめえはっ!
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 彼女の名乗りを聞いて、闘悟はそこで思い出す。
 カイバに聞いていた話を。
 その中にウサミミを持つルームリーダーの少女の話を聞いていた。


「そうか、アンタがルームリーダーのシャオニか」
「フシシシ、大せ〜かい! キミ達も『ブレイヴ』でしょ? 同じ『ブレイヴ』同士仲良くできればいいなぁ〜とか思うんだけどな!」


 本心なのかどうか判断できない。
 闘悟は警戒を緩めないように質問をする。


「それで? どういった用で来たんだ?」
「ん〜だからトーゴちゃんを恋人に……」
「オレが聞きたいのは、本当の要件だ」


 闘悟の真っ直ぐな眼差しを受けて、シャオニは黙り込む。
 そして、ニヤッとして口を開く。


「むふ〜やっぱいいねんトーゴちゃん。うん、私が来たのは、さっきも言った通り大会に関してだよ」


 木の上から飛び降りて、シャオニは三人に近づく。
 ミラニが剣を構える。


「だいじょ〜ぶ! 何もしないしない!」
「信じられるものか!」


 ミラニは鋭い視線をぶつけ、これ以上近づくと攻撃する態度で立ちはだかる。


「う〜ん、じゃあここで話すねん!」


 彼女は立ち止まり、話を続ける。
 その距離は大体五メートルくらいだ。


「ねえトーゴちゃん、キミ、狙われてるよ?」
「狙われてる?」
「うん、それも厄介な連中にねん」


 ミラニは未だ警戒を緩めずシャオニを見据えている。
 本当に護衛の鑑(かがみ)だと感じる。
 クィルは狙われていると聞き、不安そうに闘悟を見る。


「厄介な連中って?」
「『五色の統一者(カラーズモナーク)』……だよ」


 闘悟は何のことか分からず首を傾げる。
 シャオニのその言葉に反応したのはミラニだった。


「はぁ、また厄介事を……」
「あれ? あんま驚いてないねん?」


 シャオニはもっと驚くと思っていたが、意外にも周りの反応が淡白だったので逆に驚いた。


「当然だ。この男は厄介事を運んでくるプロだ」


 誰がプロだ!
 そんなライセンスを取った覚えなんかねえわ! 


「え? でもでもあの『五色の統一者(カラーズモナーク)』だよ? しかも全員に狙われてるんだよ? こんなこと前代未聞(ぜんだいみもん)だよ?」
「それがどうした? この男の存在が、もうすでに異常で異端で、論外な規格外の前代未聞だ」


 ひっどくねえっ!?
 自覚はしてるけどもう一度言うよ?
 ひっどくねえっ!? 


「あ、そうなの?」


 シャオニが納得しそうになる。


「いやいや、違うし!」
「違わないぞ前代未聞」
「そんなふうに呼ぶな!」
「ミ、ミラ
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