第9話 Side一誠
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・・・・・。別に何でもないんです」
俺が声をかけると、なにやら誤魔化してくる。
「何かほしいのか?」
クレーンゲームの中を見ると、人気キャラクター『ラッチューくん』の人形があった。ネズミを元にデフォルメしたかわいいマスコットキャラクターだ。
この人形、確か日本初なのに世界的に人気があったな・・・・・・・。アーシアも好きなのだろうか?
「アーシア、ラッチューくん好きなのか?」
「え! い、いえ、そ、その・・・・・・・・・」
アーシアは顔を赤くし、うつむきながら恥ずかしそうにうなずいた。
「よし。俺が取ってやる」
「えっ! で、でも!」
「いいから、俺が取るよ」
善は急げということで、即お金を投入し、クレーンを動かし始める。
こう見えてもクレーンゲームの成績はそれなりなのだ。
そうは思ったものの、少し苦戦してしまい五回目でようやく取ることができた。まあ、何回もチャレンジして取れない人もいるのでそれなりにいい結果だろう。
「ほら、アーシア」
人形を受け取ったアーシアは嬉しそうに胸に抱いた。
「ありがとうございます、イッセーさん。この人形、大事にしますね」
「おいおい、そんな人形だったらまた取ってあげるよ」
そうは言ったが彼女は、首を横に振った。
「いえ、今日いただいたこのラッチューくんは、今日だけのものですから、大事にしたいんです」
少し恥ずかしいが悪い気はしない。そこで、出かける前に渚がいたことを思い出した。
『いいかい、兄さん。兄さんはアーシアさんのお友達第一号だ。そして、アーシアさんは今日初めて友達と遊ぶんだ。お金は貸してあげるから、記念に洋服でも買ってあげるんだよ? いいね?』
そう言って、結構な額のお金を俺に渡してくれたのだ。出世払いで返さなければいけないが、どうと言うことはない。
時間を確認する。現在午後2時30分。大丈夫。まだまだ、時間はある。
「アーシア! 次はウインドウショッピングだ」
「はい!」
俺はアーシアの手を引き、繁華街へと繰り出した。
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■
「ここに入ってみようぜ」
「え? で、でも・・・・・・」
「いいから、いいから」
俺たちは繁華街で見つけた、ブティックに入った。
「いらっしゃいませ」
入り口付近にいた、店員さんが迎えてくれた。丁度いい。俺のセンスでは不安があるが店員さんなら大丈夫だろう。
「すみません、彼女に似合う服を見繕ってもらえませんか?」
「綺麗な金髪ですね〜、これは腕が鳴るわ! 任せください!」
サムズ
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