第63話
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き叫んだ。
しかし、現実は非情だった。
操祈がどれだけ泣き叫んでも業火に少しずつ近づいている事を。
(たすけて・・・だれかたすけてよ・・・・)
誰も助けに来ない。
いや、来る事が出来ない。
なぜならこれは麻生の記憶。
誰も助けに来るわけがない。
操祈は諦め、その業火に身体が呑まれそうになった時だった。
「大丈夫だ。」
声が聞こえた。
すると、業火に呑まれる一歩手前で落下が止まる。
気付けば、操祈は抱きしめられていた。
「大丈夫だから。
俺が傍にいるから。
だから、安心してくれ。」
この声に聞き覚えがあった。
そう麻生恭介の声だった。
麻生は子供を宥める様に操祈の頭を撫でる。
すると、震えや吐き気が徐々に治まり、あの叫び声も聞こえなくなっていた。
麻生は優しく操祈に話しかける。
「こんな悪い夢はこれで終わりだ。
安心して目を閉じればいい。
次に目が覚めた時には元の世界に戻っているから。」
その場を宥める為の嘘かもしれない。
だが、操祈にはその言葉を素直に信じてしまった。
そしてゆっくりと目を閉じていった。
麻生が本を読んでいると、操祈のいきなり動きが止まった。
視線だけを送るとリモコンを持ったまま固まっていた。
どうしたのかと、思った次の瞬間だった。
突然、操祈の身体が震えはじめ、少しずつ後ろに下がっていく。
足をひっかけたのか床に尻餅をついた瞬間に涙を流した。
麻生は嫌な予感がした。
周りの生徒も操祈がおかしな行動をしている事に気づき、何人駆け寄ってくる。
おそらくは操祈の派閥の人間なのだろう。
「女王、どうしたのですか?」
「女王?」
その時だった。
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
突然、操祈が泣き叫んだのだ。
腕をがむしゃらに振り回し、泣き叫ぶ。
取り巻きは操祈の肩を掴みながら必死に宥める。
「どうしたのですか、女王!!
しっかりしてください!!」
声は全く届いていない。
それよりかさっきよりも症状が悪化ている様に見える。
美琴も叫び声を聞いたのか、麻生に近づいてくる。
「ちょっと何が起こったの!?」
美琴は麻生に聞くが麻生は答えない。
(あいつ、もしかして俺の記憶を覗いたのか。
でもどうやって・・・・)
そう考えて気づいた。
麻生の記憶は星の原初の姿の所から始まる。
本来、人は生まれると赤子の所から記憶は覚え始める。
だが、麻生違う。
星の原初の姿を見せられ、星の記憶の始まりがその原初の姿から始まっている。
つまりは星が誕生した所から麻生の記憶は始まっている。
その星の原初の姿はとてもではないがこの星の人
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