第一話:全ての始まり
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ちのみや)だよ。小さい頃一緒に遊んでたよね?」
そう言われて今までの違和感に納得した。
正直今でも思い出せないけど、それをカミングアウトするべきかしないべきか……。
う〜ん、下手な嘘ついて嫌われるよりかはちゃんと言うべきか。
「正直思い出せてないわ」
「えっ!?ひどっ!」
弾かれるように顔を上げた後、仕方ないかと呟く一宮。
「まぁ、本当に小さい時だったからね……」
「というか、一つ質問いいか?」
「え?うん」
「そのぽめるがるみたいなやつはなんだ?」
「ぽめるがるだよ?」
「は?」
「だから、ぽめるがる・解放者。ゴールドパラディンのグレード1で……」
「いや、それはわかるけどさ」
さも当たり前のように言われて混乱する。
「なんで、ヴァンガードのカードがこうして実体化してるんだ?」
「あっ……」
気まずい空気が流れる。今まで爽やかに吹いていた風も虚しいものに感じる。
「他の人には、内緒にしてくれる?」
ポツリと落ちた声に、俺はゆっくりと頷いた。
「昼と夜、地球とクレイ。
二つの世界を行き来し、そして二つの世界を繋ぐ者。
その存在を知っているものは、彼等を『先導者』と呼ぶ……」
「もしかして」
「うん、僕がその一人。ゴールドパラディンの『先導者』なんだ」
「ゴールドパラディンのって……他のクランにもいるのか?」
「そうだよ。基本的に一つのクランにつき一人、地球人が選ばれるんだ。そしてその証が、これ」
一宮は右腕を上げた。
その手首には銀色のチェーンに金色の石が付いたシンプルな腕輪がかかっていた。
「この金色の水晶が僕と彼等を繋いでくれるんだ」
ニコリと微笑み、愛おしそうに右腕ごと腕輪を抱きしめる。
いつの間にかぽめるがるは姿を消していた。
「そいつらのこと、好きなんだな」
「なんで?」
「とても優しい顔してるぞ、お前」
ボッと彼の顔が赤くなり、空気が抜けるようにしゃがみこむ。
しばらくして立ち直ったのか、すくっと立ち上がり俺に言った。
「ナオキ君さ、もし、もしだよ?」
「うん?」
「惑星クレイに行けるって言ったら、行きたい?」
嘘だろ?と笑いたかった。
でもそんなことも言えないほど、一宮の目は真剣だった。
本当に行けるなら行ってみたい。
それが正直な思いだった。
アイチとファイトしてるとき、たまにあいつはいつもと違う目を見せる。
まるで戦争の最前線で戦う戦士のような、鋭く明確な殺気を持った目。
そしてそうなったら、アイチは必ず勝つ。
クレイに行けば、俺もそうなれるのかもしれない。
もっと、強くなれるかもしれない。
まるで浸み込むように、この衝動は俺を包んでいた。
「行きたい」
「怖い思いをしても?」
「あぁ」
「だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ