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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission8 ヘベ
(3) マンションフルーレ302号室 B
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 アルヴィンがエリーゼの頭を押さえつつ、自身が製作中のアルバムをルドガーたちにも見えるように立てた。

「諦めろってお姫様。ホレ見ろ、俺のコレなんかぜーんぶ無許可撮影だぜ」

 その見開きページに貼られた写真はすべて、リーゼ・マクシアの果物販促イベントでのものだった。

「あん時はこの世でこれほど余計なお世話ってねー! って思ったりしたけどよ。このイベントでアイツと腹割って話せたんだよな。今は感謝してる、ほんと」
「アルヴィン……」

 お客に詰め寄られててんやわんやのユルゲンスと、上手くいなすアルヴィンの、好対照な構図。
 ――実はこのイベントの前に、アルヴィンとユルゲンスは商売の方向性の違いからすわコンビ解散かという不仲に陥っていた。
 そこで彼らの歩み寄りを願って開催したのがこの、彼らが卸すフルーツの実食販促イベントだったのである。

「大成功だったもんな。お前らの作戦大当たり」

 メイドに扮して試食皿を勧めるユティとエルの写真を、アルヴィンは取り上げる。素材のいい女の子が売り子だったのはアドバンテージだったとルドガーも内心では大いに賛成している。

「もう当分ナップルとパレンジはいいって思ったよね」
「思った思った。あとパイ生地こねるのが地味にキツかったなー」
「試食用の切り方って中身崩れやすくて気を遣ったし」
「一度皿に盛るとどっちがどっちか分からなくなってエルにどやされた」

 ほかにも、店じまい後に肩を組んだアルヴィンとユルゲンスとのツーショット。レイアの取材を受ける様子。裏方で追加分のパイを焼くルドガーと、仕事上がりに応援に来たジュード。ビラ配り中のローエンとエリーゼ。

「港で面白い実食販売やってるっていうから駆けつけてみたら、まさかのアルヴィンとユルゲンスさんだもんね。びっくりしたよ」
「その割にちゃっかり取材してたろ」
「座して待ってもネタは来ない。スクープのためなら友達でも厭わない!」
「パクられた……」

 ――ちなみにその記事は「エレンピオスとリーゼ・マクシアの架け橋を目指す/異国商人コンビ奮闘記その第一歩」と銘打たれ、新聞の端っこに小さくだが掲載された。

 そしてバー・プリボーイでの打ち上げ写真。バランも参加していた。アルヴィンの恥ずかしい過去は色々とユルゲンスに伝わったらしいがそれは脇に避けて。充実感のある打ち上げだった。

 他にも、サルベージを続ければ、出てくる出てくる。いつのまにか、あるいはみんなで切り取った思い出。

 ジュードと若き日のディラックのツーショット。そのすぐ次の日に撮った、実家の診療所で両親に囲まれてはにかむジュードの家族写真。

 ガイアスとマシーナリーズの集合写真(inサマンガン樹界)。

 幽玄の氷花咲く洞穴に佇む、氷
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