差し伸べる手
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ってきた
俺は大きく腕を広げて迎撃体勢に
速攻かつ狙う敵を考えなければユウキに魔の手が及んでしまう
俺一人に対して前方から一度に攻撃できる人数は大剣ということもあり一人だけ
予備として置いておくとしても八人は過剰だ
ならば数人以外は俺を狙うと見せかけたブラフである可能性が高い
というわけで鋼糸で牽制しつつ端から切り崩すことにする
「はっ、俺に向かってきていいのか?」
「もちろん。ユウキを狙おうなんて浅い考えは読めている」
大きく踏み込み、エネルギーを足先に蓄積。それを剣に乗せて放ち、大剣の上段からの振り下ろしを弾き返す
「なっ……に……?」
斬り上げの片手剣で斬り下ろしの大剣を弾かれるとは思っていなかった一人目の敵は驚愕に身を固め、死に体を晒すこととなった
その隙を逃すわけがなく、迎撃に使った剣とは逆の剣で敵の首を切り落とす
すぐさま反転し、返す刃で二人目を斬り捨てると鋼糸を操り、ユウキに一番接近していた四人を地面にたたき込む
ついでに戦闘開始のときから詠唱を始めていた高位の闇系拘束魔術を転ばせた四人にかけた
地面に写る四人の影からいくつもの縄が伸び、四人を拘束していく
この魔法は詠唱時間と発動したあとに対象が一定以上動くとファンブルするのがネックだが、対象が複数(一人でも失敗したらアウト)なのと成功した後の拘束時間の長さと拘束強度は折り紙付き
「くそがぁぁ!!」
「死ね!」
自由に動ける残り二人が俺を挟み込むように回り込み、大剣を振り下ろしてくる
向かって左側から剣を振り下ろしてくる敵に一歩近づくと、剣を斜に構える
敵の足を払いながら敵の大剣に俺の片手剣を沿わせ、軌道を誘導する
「ぐっ……」
「なっ……」
二人の敵はお互いに剣を刺し合うという結果になった
二人ともHPがまだ残っていたので止めをさし、ユウキの方へ向かった敵四人を葬りに行く
動かない敵のHPを削るのは赤子の手を捻るかの如く簡単だった
「ユウキ、無事か?」
「うん。かっこよかった……」
ユウキは熱に浮かされているかのような視線をこちらに向けてきた
……フラグを立てた覚えはないんだが、早めに俺には彼女がいるってことを伝えておかなければなるまい
「ユウキ?」
「えっ、あっ、うん。大丈夫! だから気にしないで」
「……ユウキ。アルンについたら少し時間をもらえないか?」
「えっと……ごめんね。何を話すのかはわからないけど、ボクと深く関わらない方がいいよ?」
「どうしてだ?」
「どうしてって……その……」
「死期が近いから……そうだよな?」
普通に接していても、恐らくユウキから話してくれる日は来ないと思う
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