五十二 警告
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
さそうに眺めてから、君麻呂はサスケに疑問を投じた。
「なぜ大蛇丸様が呪印を与えたのか。その意味がお前に解るか?」
怪訝な顔をするサスケに構わず、君麻呂は言葉を続けた。自らが問い掛けた質問に対し、自ら答えてみせる。
「大蛇丸様は術の開発や修得に余念がない。やがてはこの世の忍術全てを知ろうとなさっている。だがそれには永い時が必要であり、人の一生では限界がある。そこで大蛇丸様は老いや寿命を克服する為に、ある術を開発された」
一度言葉を切って、君麻呂はサスケを一瞥した。未だ事情が呑み込めない困惑顔に内心溜息をつく。
「『不老不死』―――自身の精神を他者の肉体に入れ替える術【不屍転生】の術だ」
「……ッ、」
言葉の意味がじわじわと浸透してくる。ようやく大蛇丸の意図を理解し、サスケの眼が大きく見開かれた。
「そして大蛇丸様の新たな身体として選ばれたのが……―――お前だ。うちはサスケ」
沈黙がその場に落ちた。
己の名を呼ばれた彼は愕然と君麻呂を振り仰ぐ。その顔は硬い。まるで雷に打たれたかのような表情で狼狽した後、サスケは疑わしげに君麻呂の顔を窺った。
「…なぜそれを俺に教える?てめえは大蛇丸の部下だろーが」
「違う。僕はナルト様の為だけに動く」
サスケの言葉を即座に否定する。恥ずかしげもなく「ナルト様が僕の全てだ」と君麻呂は言い切ってみせた。
「ナルト様の命により――――うちはサスケ、お前は生きろ」
そう言うや否や、サスケの懐に飛び込む。呪印のせいで動けぬサスケは君麻呂に不意を突かれ、意識を失った。倒れ伏したサスケの首元を押さえる。
サスケを足下に、君麻呂は改めて辺りを見渡した。自らの戦闘相手を奪われた我愛羅が憤怒の形相で叫ぶ。
「貴様ぁッ!どけぇえええぇ!!」
迫る。怒り狂う我愛羅に、君麻呂はやれやれと肩を竦めた。気絶したサスケから我愛羅を遠ざける為、敢えて攻撃体勢に入る振りをする。迎え撃とうと身構えたその時、君麻呂の視界の端に金が映り込んだ。
(来たか…)
新たな来訪者の気配を察しつつ、君麻呂は我愛羅の攻撃を避けた。かわし様に囁く。
「砂瀑の我愛羅。ナルト様から伝言だ」
ピクリと我愛羅の眉が吊り上がった。確かに反応した彼の耳元で君麻呂は猶も言葉を続ける。
「何の為に存在し、生きているのか――その答えが知りたくば、波風ナルと闘え」
「…以前も同じ事を言っていたな。どういう事だ?」
「似た者同士だからだ。波風ナルはお前と同じ――」
次の君麻呂の言葉に我愛羅の眼が大きく見開かれた。同時に体内に潜む存在が微かに蠢く。
「人柱力だ」
その瞬間、我愛羅の瞳が波風ナルを捉えた。
気絶しているサス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ