五十二 警告
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って早々、自身を詰る。我愛羅との戦闘に水をさされ、サスケは眉間に皺を寄せた。
「てめえ…」
掴まれていた腕を振り解く。突如介入してきた彼からサスケは距離を取った。後方の木へ飛び乗る。
「チャクラを無理に引き出しても碌な結果にならないと知っているだろ?それなのにまだ闘おうとするとは…理解に苦しむよ」
涼しげに佇む君麻呂。呆れを滲ませた面立ちでこちらを見据える彼を、サスケは負けじと睨み返した。
だが直後、顔を顰める。チャクラの使い過ぎで呪印が痛み出したのだ。首筋を押さえ、激痛の波に耐える。苦しむサスケを君麻呂はじっと見下ろしていた。
「一体、何しに来た…?」
「邪魔するなぁッ!!」
呻くようなサスケの問いと我愛羅の雄叫びが重なった。異形の手を君麻呂目掛けて振り翳す。いきなり攻撃してきた我愛羅を君麻呂は無表情で仰いだ。
立ち上る白煙と轟音。
寸前まで自身が立っていた大木をサスケは肩越しに振り返った。倒れ伏した木の上で我愛羅が視線を彷徨わせている。我愛羅を警戒しつつサスケもまた君麻呂を探そうと眼を凝らした。
「用があるのは、うちはサスケのほうだ。お前じゃない」
淡々とした声にハッと顔を上げる。何時の間に飛び移ったのか。サスケの瞳に映ったのは、傷一つなく佇む君麻呂の姿。それもすぐ傍の木の枝上だ。
「俺に用だと?………ッ」
ズキズキと増し始めた激しい痛みがサスケの身を襲う。疼き始めた呪印に、彼は堪らず膝をついた。
一方、自分に見向きもしない君麻呂を忌々しげに睨む我愛羅。対照的な二人を交互に見遣って、君麻呂は口を開いた。
「うちはサスケ。すぐ傍にお前の仲間が来ている。さっさと此処から離れろ」
「…ちょっと待て!お前、音だろ。なぜうちはサスケに肩入れする!?」
我愛羅とサスケの戦闘を戦々恐々と見守っていたテマリが慌てて口を挟んだ。同盟国である音の忍びが木ノ葉の忍びを助ける。裏切り行為だ、と言葉尻に非難する彼女を君麻呂は冷やかに見遣った。
「ならばそちらはどうなっている?砂瀑の我愛羅を里で暴れさせる手筈ではなかったのか?」
「そ、それは…」
言い淀むテマリを眼の端に追い遣って、君麻呂は今一度サスケを見た。呪印の痛みに耐える彼に一言、「警告だよ」と告げる。
「それ以上闘ったら死ぬ。勝手な真似をするな」
「…てめえには、関係、ない……」
「僕としてはお前が死のうがどうしようが構わない。だが…」
そこで言葉を切って、荒い息を繰り返すサスケを君麻呂は見下ろした。瞳を細める。
「それはナルト様の本意ではない」
その声音には隠しようもない嫉妬の色があった。
「「ナルトだと…ッ!?」」
我愛羅とサスケが同時に叫んだ。両者の驚愕をどうでもよ
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