第4話 第二次ガイエスブルク要塞攻防戦
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「そんな、あのロアキアが負けるなんて……」
辺境13国の1国であるウェスタディア王国宰相アルベルト・アルファーニは、送られてきた報告に目を丸くしていた。
銀河帝国という未知の国家にロアキアがレンスプルト星域において敗れる。
これだけでも重大事件であるのに、再度のロアキアの敗北(オリアス皇子自らが報復に赴いた第二次レンスプルト星域会戦は戦術上引き分けであり、実質的にはロアキアの戦略的敗北であった)。
この一連の出来事は辺境星域に対するロアキアの圧力を減らすことになるだろう。
だが、アルファーニは単純にロアキアの影響力が弱まったと喜べなかった。
これは、ロアキアより強力な勢力が現れたということである。
その勢力がこちらに友好的とは限らない。
また、ロアキアが銀河帝国とやり合っている内にルフェールが触手を動かす可能性も考えられた。
ティオジア連星共同体の発足により、銀河を統べる二大国(ロアキア、ルフェール)に一定の発言権を獲得するに至ったばかりである。
余計な火種はウェスタディアとしても望むところでは無いのだ。
「これ以上の敗北をロアキアが放置できるはずがない。あのオリアス皇子なら必ず先日以上の大兵力で以ってリベンジを挑むだろうけど……」
それに失敗すればロアキアは内部分裂する。
四人の兄を殺し、皇帝を幽閉して実権を握ったオリアスに反感を持つ者は多く、そういった者たちがオリアスを失脚させようと動き出すのは十分に考えられる。
統制帝の皇子で残っているのはオリアス1人だが、皇女は何人も健在であるため神輿に困ることは無い。
あるいは、銀河帝国に下るか手を結ぶ者たちも出てくるかもしれない。
いずれにせよ、次の一戦がロアキアの命運を決めるだろう。
それと、銀河帝国についての情報が不足しすぎている。
どのぐらいの規模の国家なのか、どれほどの戦力を有しているのか、何も分からない。
もし、ロアキアが勝利していれば捕虜から情報を得ることも出来たであろうが……。
少なくとも、現時点で判明しているのは万単位の艦隊を有していることと、オリアス皇子を上回る優秀な将がいるということだけである。
前途多難であった。
* * *
宇宙暦805年/帝国暦496年 8月15日。
レンスプルト星域において、新天地派遣軍にファーレンハイト艦隊とガイエスブルク要塞に駐留するミュラー艦隊が合流した。
先日の戦闘での損失艦艇は、ロイエンタール艦隊約1900隻、ミッターマイヤー艦隊約1800隻、スプレイン艦隊約400隻であり、その結果合計で4200隻程の艦艇を減らしている。
ファーレンハイト、ミュラー両艦隊合わせて30000隻の加勢はありがたかった。
更に、パエッタ艦隊150
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