第4話 第二次ガイエスブルク要塞攻防戦
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が戦列に復帰しても数ではロアキアが上回る。
ここは攻め続けるしかなかった。
「数はこちらが上だ、戦闘艇を出して近接戦闘に持ち込め!」
ロアキア軍の艦艇より戦闘艇が次々と出撃していく。
「敵の戦闘艇が発進してきます!」
「こちらもワルキューレを出せ。総力戦になる、要塞からもワルキューレを出撃させろ」
しばらくの間、両軍の戦闘艇による激闘が繰り広げられる。
それが終わった後も、ロアキア軍は未だ『鉄壁』ミュラーの艦隊を抜けずにいた。
迂回しようにも、ロイエンタール、ミッターマイヤー、ファーレンハイト艦隊の適切な動きによって防がれる。
戦いは、消耗戦の様相を呈してきた。
「ロイエンタール提督、このまま消耗戦になれば数に劣る我々が不利です」
「そうだな、次はこちらから動いてみるとするか。ミッターマイヤー艦隊旗艦ベイオウルフに連絡、『敵側面を突け』とな」
「はっ」
「ミッターマイヤー艦隊を援護する。主砲、斉射三連!」
ロイエンタール艦隊による砲撃でロアキア軍を牽制している間に、ミッターマイヤーは戦線より抜け出していく。
その後、艦隊を右へ回しロアキア軍の左側面を突こうとする。
「敵1個艦隊、側面に回りつつあります」
「ちっ、ロズボーンに防がせろ。正面はまだ抜けんのか!」
「敵、未だ崩れません」
「!! 前方に艦影、これは……敵の増援です!」
「く、ロッソルン星域かハルトン星域の艦隊が戻ってきたか」
オリアスの予想とは違い、現れたのはグエン・バン・ヒュー大将率いる艦隊であった。
ウルガンテ星域への到着予定は翌17日であったが、ロアキア軍襲来の報を聞いて急ぎ駆けつけて来たのである。
「おお、間に合ったようだな。行くぞ、全艦突撃だー!」
グエン・バン・ヒュー艦隊の参戦は、押されぎみであった帝国軍を活気づかせた。
これまで受け身だった帝国軍は少しずつ攻勢に転じるようになる。
それでも尚、兵力ではロアキア軍が勝っていた。
両軍の兵力差が逆転するのは11月27日、2時55分のことであった。
ロアキア艦隊襲来の報を聞いたパエッタ艦隊の半数とスプレイン艦隊が急ぎ戻ってきたのである。
『数において勝る敵軍と無傷の要塞。ここに至ってはもはや勝利は望めますまい、小官は撤退を具申致します』
「そんなことは分かっている! だが……」
ここでオリアスが敗北すれば、ロアキアの内部分裂は必至。
それ故に、オリアスは撤退を決断できずにいた。
『それでも、ここで殿下を失うわけにはいかんのです。どうか、ここは一度退いて捲土重来を』
「……分かった。全軍、退却」
11月27日 5時40分。
第二次ガイエスブルク攻防戦
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ