第4話 第二次ガイエスブルク要塞攻防戦
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ライニッツ艦隊……半減」
「第二射来ます!」
ライニッツ艦隊がガイエスハーケンの射程外に退避し終えたとき、残存艦艇数は2500隻。
8割以上の艦艇を失っていた。
「あれほど強力な砲があるとは……」
「直上より敵艦隊強襲!」
それは、ファーレンハイト上級大将率いる帝国軍15000隻であった。
「オリアス皇子をお守りしろ!」
ロズボーン提督率いる12000隻の艦隊がファーレンハイト艦隊の前に立ち塞がる。
しかし、数の上でも勢いの上でも勝るファーレンハイト艦隊を押し止めるのは不可能であった。
「ロズボーン艦隊、突破されます!」
「ほう、敵もやるではないか」
ロズボーン艦隊を突破したファーレンハイト艦隊は、そのままオリアス艦隊へと突撃する。
「殿下、このままでは!」
「心配いらん。窮地に陥ったのは敵の方だ」
オリアスは帝国軍に伏兵があるのを予測していたのである。
ファーレンハイト艦隊の側面にメルボド艦隊8000、ブルーナ艦隊5000が展開し、先のガイエスハーケンでボロボロになったライニッツ艦隊が名誉挽回とばかりに要塞への退路を断つ。
ファーレンハイト艦隊は完全に包囲された。
オリアス艦隊を突破できれば問題は無いのだが、ロイエンタールに匹敵する腕を持つオリアス相手にそれは難しい。
「逆にこちらが包囲されたか……よろしい、本壊である。砲撃を一点に集中して敵陣を強行突破する!」
アースグリムの艦首より大口径のビームが放たれ、包囲陣の中で最も薄いライニッツ艦隊を薙ぎ払う。
この一撃でライニッツ艦隊旗艦カイオリントが消滅し、ライニッツ中将は戦死した。
「逃がしたか……まあいい、あの艦隊が再編を終えるまでに決めればいいだけのこと。前線にメルボド、ブルーナ両艦隊を投入せよ」
包囲網を突破したファーレンハイト艦隊が後退し、前線にメルボド、ブルーナ両艦隊が出てきたことで戦力比はロアキア側に大きく傾いていた。
ロアキア軍の圧力に押された帝国軍はじりじりと後退する。
「味方が居ればあの巨砲は使えまい。突入の好機だ、全艦で押し込め!」
ロアキア軍がロイエンタール、ミッターマイヤー両艦隊に殺到する。
頼みのガイエスハーケンもこの状態では使えない。
「敵増援が要塞内より出撃してきます!」
それは、これまで要塞内で待機していた『鉄壁』ミュラーの艦隊であった。
「なんだと! 数は?」
「およそ、15000」
「く、まだ余力を残していたか」
それでも、オリアスは攻撃を続行した。
ここで手を引けば、強力な要塞砲を持つガイエスブルク要塞に再び肉薄するのは困難であることを分かっているためである。
ファーレンハイト艦隊
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ