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八条学園怪異譚
第二十七話 教会の赤マントその二

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「近いうちにな、天気予報ではそうなる」
「あっ、そうなんですか」
「もう少ししたらですか」
「あと三日程でな」
 暑くなるというのだ。
「それこそうだる様な暑さになるそうじゃ」
「じゃあかき氷売れますね」
「アイスも」
 二人は博士の言葉に目を輝かせて応じた。
「楽しみにしてますから」
「三日後から」
「今年の夏は暑くなるそうじゃ」
 その三日後からだというのだ。
「それもかなりな」
「かき氷もアイスもあれだよね」
 河童もいる、座布団の上に正座してそのうえで胡瓜から作った羊羹を食べながらそのうえで言ったのである。
「雪女さんの家族の大好物だよね」
「というか主食だね」
 から傘が応える。
「あの人達にとっては」
「いつも自分達で作ってるしね」
「そうそう」
「アイス自分で作られるって凄いわね」
 聖花は彼等の話を聞いて目を瞬かせて言った。
「それって」
「雪女さんが作ってるんだ」
「素材からね」
 つまり牛乳や卵、砂糖からだというのだ。
「それで毎日作ってるんだ」
「かなり上手だよ」
「アイスって難しいわよね」
「あれはね」 
 聖花はお茶を飲みながら言う愛実にも応えた。
「美味しく作るのはね」
「そうよね」
「そうそう、アイスといえばじゃ」
 博士はアイスの話を聞いてここで言った。
「赤マントさんも好きじゃのう」
「そうですね、あの人もお好きですね」
「赤マントっていうと?」
「その人も妖怪ですか」
 二人は博士とろく子のやり取りを聞いてから言った。
「何か格好いい感じですけれど」
「どんな人ですか?」
「この学園では教会におってな」
 博士が二人に話す。
「人がトイレに入るといきなり扉から出たり廊下の脇から急に出て来て驚かせる妖怪じゃ」
「口裂け女さんと一緒ですね、それだと」
 愛実は博士の説明を聞いてこう言った。
「驚かせることが趣味ですよね」
「そうした妖怪じゃ」
「やっぱり妖怪なんですね」
「その生まれは明治だったか大正だったか」
 近代からだというのだ。
「その頃からか」
「じゃあ博士と同じ位の年齢ですか?」
 愛実は伝え聞く博士の年齢から言った。
「それですと」
「そうかも知れんな」
 博士自身もこう言う。
「定着したのは大正からだったか」
「jじゃあ博士よりも若いですね」
 今度は聖花が言った。
「それですと」
「若いかのう」
「そもそも博士お幾つですか?」
「一応戸籍では百五十か」
 最早これだけでギネスに載る位だ。
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