TURN68 連合軍の反撃その五
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「戦えなくなるけれどいいのね」
「それでもいいわ」
カテーリンもそれでよしとした。
「この戦いの後は太平洋の悪い子達にお仕置きをするけれど」
「それでもなのね」
「まずはドクツを倒さないといけないから」
例えどれだけの力を注ぎ込んでもだというのだ。
「だからね」
「じゃあ太平洋に行くのは結構後ね」
「ドクツをやっつけて暫くは力を蓄えるから」
連戦は無理なのはカテーリンもわかっていた。
「まずはね」
「うん、じゃあドクツ戦に全力を注いで」
「それからにするから」
カテーリンはまたミーシャに答えた。
「太平洋にはゾルゲ大佐に情報収集をしてもらうから、その間は」
「わかったよ、カテーリンちゃん」
「エイリスは最後よ」
実はこの国もソビエト、カテーリンは敵とみなしていた。結局今の同盟相手である連合国全てがソビエトの敵であるのだ。
「資産主義で君主制だからね」
「世襲の女王が人民を搾取してるからね」
「それって悪いことじゃない」
カテーリンはむっとした顔で言い切る。
「日本は世襲じゃないけれど君主だし」
「同じよね」
「皆平等なのに君主とか貴族とかいるのおかしいの」
これはカテーリンの絶対の考えである。
「そういうの許せないから」
「だから皆一旦懲らしめないとね」
「まずは日本とガメリカ、そして中国」
太平洋の資産主義国家、というよりかはこれから出来る太平洋経済圏自体がソビエトの敵だ。
「何処もやっつけるから」
「ガメリカも中帝国も資産主義だからね」
「特にガメリカが酷いから」
「中帝国は中帝国で皇帝いるし」
「資産主義も君主制も間違ってるの」
とにかくこの考えは変わらないカテーリンである。
「皆平等で財産なんてなかったら幸せになれるのに」
「どうして皆わからないんだろうね」
「ソビエトを見て?皆幸せじゃない」
少なくともカテーリンはそう思っている。
「皆同じものを同じだけ食べて同じ服を着て」
「同じ様な場所で寝起きしてね」
「それで階級なんてないのよ。お金がないからお金持ちも貧乏人もいなくて」
「皆助け合って生きてるよね」
「人間はそうあるべきなの」
カテーリンは意固地ささえ見える顔でミーシャに言い切った。
「これまでが間違ってたの」
「だからロシア帝国も倒して皇帝一家も労働者にしたのね」
「そうよ。皆平等よ」
とにかくこれが第一だというのだ。
「そうしないとね」
「軍も階級は」
「そうよ。確かに提督はいるしジューコフさんには元帥をしてもらってるけれど」
だがソビエト軍でもだというのだ。
「皆平等よ」
「そうしてるよね」
「兵隊さんに向いてる人はどんどん偉くなるから」
少なくともそうした抜擢はしているカテーリンである。
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