暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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ョームを雇い入れました。

 ……と言う訳です。私はある貴族と商人と言うのが気になりました。

「ある貴族と商人と言うのは?」

「貴族は高等法院長のリッシュモン殿……」

 その名前を聞いただけで、私の中に怒りが込み上げて来ました。

(またコイツか。お金大好きのゴキブリが。また餌を見つけたか)

「……商人は元王宮出入り商人のペドロよ」

 この瞬間、私は思考が停止しました。

「ペドロは半年前まで、リッシュモン殿に保護されていたみたいね。近々王宮出入り商人に復帰するそうよ。下級貴族達の人望が厚かったから、復帰を喜ばれるでしょうね」

(リッシュモン、ペドロ、ギョーム。繋がった様な気がします。リッシュモンは、情報と秘薬を買う。ペドロが下級貴族に恩を売り、情報を引き出す。ギョームは研究資金の確保の為、暗殺用の秘薬を調合する。母上が妊娠中に飲んだ秘薬を考えると、人体実験もしていると見て間違い無でしょう)

 全く証拠が無いですが、私の中で確信めいた何かがありました。リッシュモンが密告者になれたのも、ペドロの情報のおかげと考えるのが自然です。また、ギョームの様な人間(人体実験を平気で出来る様な人間)が、何人も居るとは思えません。それに秘密を守るには、少人数の方が都合が良いでしょう。

(こいつ等が姉と僕の敵か……)

 この時の私は、怒りを隠し切れませんでした。カリーヌ様が怪訝な表情で、私の顔を見ています。

「……ギルバート。貴方はまだ何か隠して居るわね」

 私は不味いと思いましたが、これは全然回避可能な範囲です。と言うか、リッシュモンについては誤魔化す必要がりません。

「マギ情報です。リッシュモンは極悪人ですよ。かつてダングルテールで、疫病が発生したとされています。しかし事実は新教徒狩りです。この時ロマリアから、どれ位の賄賂を受け取ったのでしょうね?」

 カリーヌ様の表情が、一気に険しくなりました。私は怒りの所為で、饒舌になり過ぎない様に自分に言い聞かせます。

「ここから先は、父上の受け売りと言うか愚痴になりますが……」

 私はそう区切って、自分の愚痴を(あたか)も父上の愚痴の様に語ります。

「リッシュモンは、去年の逮捕劇の際に密告者になる事により追及をかわし、高等法院長の座を手に入れています」

 私は感情的な部分を、なるべく見せない様にして続けます。

「ドリュアス家は、クールーズ領を押し付けられ動きを封じられていますし、父上も名誉な任務と引き換えに王都から追い出されています。加えて、ヴァリエール公爵引退による混乱が良い隠れ蓑になり、思い切った地盤固めが出来ます。その所為で高等法院内にライバルが居なくなり、リッシュモンの1人勝ち状態です。賄賂等、黙ってい
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