暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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「秘密です」

 私はそう言って、にっこり笑いました。もちろん、裏では冷や汗ダラダラです。

「あら、まだ隠し事があるみたいね」

 カリーヌ様の目が、スッと細まりました。

(不味い。凄く不味いです。これ以上ない位に不味いです)

 《錬金》で作ったと言い張るには、マルウェンの首輪は使い込まれた年月を感じさせます。言い張れたとしても、私の現在の実力ではマルウェンの首輪(偽)を、一からの作成する事は不可能です。材料が有れば可能ですが、家を出る時には持っていませんでした。(鞄はカリーヌ様の物をお借りし、中身も見られています。ポケットの中身は落とすからと、目の前で確認させられました)

 買ったと言う言い訳が通用しないのは、前回の帽子の件から実証済みです。口裏を合わせてくれそうな人は……。

「カトレア様から頂きました。それにこれは、首輪では無くチョーカーです」

(絶対に借りを作ってはいけない人に、借りを作ってしまった!! 如何しましょう!?)

 私は顔では平然としながらも、心の中では部屋に閉じこもって泣きたい気分でした。

「どっちだって一緒よ!! それにそんな物、あの子持っていたかしら? それよりも、男の子に首輪をプレゼントするなんて……」

 流石にカリーヌ様でも、娘の私物全てを把握してはいなかったみたいです。しかしこの借りは、予想以上に大きなものになりそうです。主に品位的な意味で……。(冗談抜きで、部屋に閉じこもって泣きたいです)

「それよりも、もう一つ聞いて良いですか?」

 私は強引に話題を変えようとします。カリーヌ様も現実(偽)から、目を逸らしたいのか乗ってくれました。

「ギョームと言う水メイジについてです」

 この名前を出した途端、カリーヌ様の表情が引き締まりました。

「その男が如何したのですか?」

「本人は私に聞こえて無い心算だった様ですが、私を殺しておけば良かったと言っていました。そして、カトレア様を実験材料と……。正直に言わせてもらえば、ヴァリエール公爵家に出入り出来るタイプの人間とは思えません」

 カリーヌ様は私の言葉に、沈痛な面持(おもも)ちになりました。

「カトレアが完治する可能性に、目が眩んでいました。あの男を雇い入れたのは、当家の恥です」

 そう言って、経緯を話してくれました。

 ギョームと言う男は、王都で王宮に卸す秘薬を精製していた経歴が持つ水メイジでした。多少素行に問題がありますが、非常に優秀で一部では天才と噂が立っていました。これにヴァリエール公爵は飛びつきました。しかしギョームは、その時既にある貴族の専属となっていたのです。ヴァリエール公爵は諦めきれずに、ある商人に仲介を頼み、その貴族と交渉し高いお金を払ってギ
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