暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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言っているのか、分かりませんでした。

「私の病気を治療して。と、言っているのよ」

 反射的に「無理だ」と、答えそうになりました。しかしカトレアの目は、私なら出来ると言っていました。どの道調べるだけなら、何の障害も代償もありません。

「分かりました」

 私は医療行為であると割り切って、杖を抜き寝間着の上を脱がせます。膨らみ掛けの胸が見えましたが、医療行為と割り切ると気にならない物です。お腹に左手を当て、ディテクト・マジック《探知》を発動します。

 《探知》の魔法は便利な反面、酷く不便でもあります。それは限定的な事しか、教えてくれないからです。

 体温を知りたければ、温度を《探知》する必要があります。秘薬を解析したいなら、成分を《探知》する必要があります。しかし成分が分かっても、効果は専門家でなければ分かりません。

 ではカトレアの病は、何を《探知》すれば原因が分かるのでしょうか? 漠然とした原因を知ろうと《探知》を使っても、成功する事は有り得ません。原因を特定する為に、何に対して《探知》を使えば良いか分からない。カトレアの病は、兎に角そこが問題なのです。

 今回私は、体内に炎症や癌等が無いか調べるのに1回、体内の水の流れを見るのに1回。少なくとも、2回使用する事になります。しかしこれだけなら、他の医師が何百……何千回と行っているでしょう。別のアプローチを考えなければ、カトレアの病の原因を特定するのは不可能です。

 先ずは1回目、炎症や癌等物理的に悪い部分を探します。しかし驚いた事にカトレアは、多少貧弱ではありますが概ね健康体でした。強いて言うなら、内臓の一部に不活発な部分がある位です。

 続いて2回目、体内の水の流れを見てみます。こちらも大きな問題があるとは、とても思えませんでした。一部に流れが悪いところがあるだけです。私は首をひねってしましました。

 後は別のアプローチ方法を考え、実行する事です。最初に思いついたのは血液検査でした。しかし専門家ではないので、どうにもなりません。そこで思い付いたのが、自分の血液と比較する事です。カトレアから裁縫用の針を2本借りて、《発火》で適当に炙って消毒します。その針でお互い、適当な所を刺し血を出します。私は服が汚れるのが嫌だったので、指先にしました。それも一番使わなそうな、左手薬指にしました。見るとカトレアも、同じ所を刺していました。

 2人の血を比べ、赤血球・白血球・血小板を《探知》調べて行きます。結果は、2人とも殆ど同じでした。専門家では無いので細かい所までは分かりませんが、比率等にも問題は無い様です。これで一番疑っていた“白血病”の可能性が消えました。

 私は頭を抱えてしまいました。

 見るとカトレアは深く傷つけ過ぎたのか、血がなかな
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