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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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当直(カトレア様の容体急変に対応する当番)をサボる。使用人の診察を拒否する。等は当たり前で、手抜きで怪我や病状が悪化した使用人も居たそうです。あまりに酷過ぎる為、ジェロームがカリーヌ様に首にしてもらうよう陳情しているそうです。使用人達は、今回の一件でようやくいなくなると喜んでいました。
何故この様な低俗な医師が、ヴァリエール公爵家に入り込めたのか不思議で仕方がありません。まあ“分からなければ聞けば良い”と言う訳で、早速雇った経緯をカリーヌ様に聞く事にしました。……他にも聞きたい事がありますし。
使用人にカリーヌ様の居場所を聞くと、案内を買って出てくれました。案内先は執務室です。私は使用人に礼を言うと、ドアをノックしました。
「入りなさい」
「失礼します」
カリーヌ様は入って来たのが私と気付くと、驚きの表情を浮かべました。
「少しお聞きたい事があるのですが。……今よろしいでしょうか?」
「かまわないわ」
カリーヌ様は頷き、椅子をすすめてくれました。
「先ず初めに謝罪させてもらいます。今回はルイズがご迷惑をおかけしました」
そう言いながら、カリーヌ様は私に頭を下げてくれました。公爵夫人に頭を下げられると、こちらが恐縮してしまいます。
「それとルイズの事なら、厳しく罰したわ。今後このような事が無い様に、私も甘さを捨て厳しくするつもりです。カトレアも相当叱っていた様ですし」
あれで甘さがあったのですか? カトレア様も叱った? 私はルイズの今後が心配になりましたが、ここは自分の用件を優先する事にしました。
「いえ、気にしないでください。それよりもお聞きしたい事があるのですが、よろしいでしょうか?」
このままでは個人的に落ち着かないので、話題を変える事にしました。幸いカリーヌ様も頷いてくれています。
「先ず一つ目は、何時頃ドリュアス領へ帰れるかです」
「急ぐなら、すぐにでも竜籠を出すわ。出来ればお詫びもしたいから、私と一緒に戻ってほしいのだけど。私と一緒に戻る場合は、この騒ぎで溜まった仕事を片づけたいから、出来れば1日待ってほしいわ」
カリーヌ様は即答してくれました。
「そこまで急ぐ必要はありません」
「良いのですか? 誕生日に間に合いませんよ?」
「かまいませんよ」
実際問題として、誕生日など関係無いのです。早く返してもらいたくて言った、言い訳にすぎませんから。
(それに今はこれが手に入ったので、そんな些細な事は如何でも良いのです)
私はマルウェンの首輪を、つい嬉しそうに撫でてしまいました。それが蟻地獄にはまる、サインとも知らずに。
「ところで、その首輪は如何したのですか?」
(っ!? ……不味い)
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