暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第19話 ヴァリエール姉妹(長女抜き)
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 おはようございます。ギルバートです。お腹を満たし、少しだけ眠ったらもう朝です。幸い身体の治療は完璧の様です。体の調子を見る限り、相当高価な水の秘薬使ったらしく、治療後の気だるさ等も一切ありません。これならば、今後の活動に支障は出ないでしょう。

 と言う訳で、早く領地に帰って刀を製造したいです。いや、その前に父上の軍杖(レイピア)ですね。公爵夫人(カリーヌ様)に目覚めの報告をして、さっさと領地に送ってもらいましょう。

 そう結論した私は、本館へ移動しカリーヌ様に挨拶する事にしました。すると、途中で老執事(ジェローム)にバッタリと出くわします。

「おはようございます。カリーヌ様にわた……」

 伝言を頼もうとした瞬間に、捕獲されベットに強制送還されました。(なんでやねん)

 瞬く間に屋敷内が騒がしくなりました。使用人達の声を拾ってみましたが、どうやらヴァリエール公爵家お抱えの医師(水メイジ)が昨日はいた言葉(セリフ)が原因の様です。

「手は施しました。が、おそらくもう目覚める事は無いでしょう」

 この言葉が原因で、公爵家は上へ下への大騒ぎです。本来なら事態の収拾に当たる筈のカリーヌ様でさえ、頭を抱えてしまったそうです。この日の午前中は、診察に来たの医師と様子を見に来たカリーヌ様とルイズの対応で潰れてしまいました。

 医師達は口々に、良かったと口にしていました。カリーヌ様は安堵の表情を浮かべていました。ルイズは目を覚ました私を見ると、思いっきり泣きじゃくりながら抱きついて来ました。(ルイズに思い切り鼻水付けられました)

 しかし医師は、何故この様な迂闊なセリフを吐いたのでしょうか? 私は気になったので、医師1人1人を観察する事にしました。その中に1人、気になる医師が居たのです。その医師が私を診察する時の目は、明らかな侮蔑の色を含まれていました。流石に不審に思い、その医師に目と耳を集中します。

 医師は部屋の隅に移動すると、独り言を呟き始めました。その声は非常に小さく、私が風メイジな上に集中していなければ聞き取れなかったでしょう。

「子爵家のガキが、俺の貴重な時間を奪いやがって。殺しときゃ良かった。面倒くせえ。あのカトレアとか言うガキも、俺の診察拒否しやがるし。大人しく俺の実験材料になってろっての」

 耳に入ってきた言葉は、医師にあるまじき物でした。この場に風メイジが居ないと思って油断していたのだとしても、この場でその言葉を口にするとは信じられませんでした。

 当然私は、医師達の診察が終わった後に、使用人達に先程の医師の話を聞きました。出て来た話は、ある意味予想通りの内容でした。

 医師の名前は、ギョームと言うらしいです。私がもう目覚めないと言ったのもこの男でした。

 
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