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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-25王子と踊り手
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な!」
「マーニャが、見せてくれるのよね。頑張って、覚えるね」
「手加減しねえで使う機会ってのも、なかったからな。ま、楽しみにしてな」
「うん」
「ああ!楽しみだな!」
「兄さん……程々(ほどほど)にしてくれよ」
「わかってるって。そもそも当たるとも限らねえし、当たっても死なねえ程度にするからよ」
「……そうだね。生きてれば、なんとかできる、かな…………たぶん」

 ベギラゴンの火炎を思い出し、遠い目をするミネア。

 アリーナが、()け合う。

「当たったからと言って、全く防御出来ないということも無いだろう。大丈夫だ」
「……そうですか。頑張ってくださいね……」


 船にたどり着き、馬車を船に置いて、(ひら)けた場所に出る。

 少女がトヘロスを唱えて魔物を退(しりぞ)け、ブライがマホカンタで魔法を反射する光の壁を展開し、アリーナ、マーニャ以外の仲間たちが後ろに隠れる。

「準備は整いました。いつでも、良いですぞ」
「トヘロスは、使ったけど。わたしより強い魔物には()かないから、気を付けてね」
「魔法を当てりゃオレの勝ち、打撃を入れるか急所に寸止めでアリーナの勝ち、でいいんだな?」
「それでいいが。マーニャは、武器は使わないのか?」
「使っていいのかよ」
「丸腰で戦うことも、普通は無いだろう。ユウに見せるなら、使った方が参考になるだろうしな」
「アリーナは、使わねえのか?」
「鉄の爪か。あってもいいが、無くてもいいからな。今回は、やめておこう」
「なら、いいか。ナイフを寸止めでも、オレの勝ちでいいな?」
「それでいい。ブライ、合図を頼む」
「ふむ。それでは、構えなされ」

 アリーナは素手で、マーニャは毒蛾(どくが)のナイフでは無く、投擲(とうてき)の芸に使う普通のナイフを持ち、構えを取る。

 ブライが大きく息を吸い込み、声を張り上げる。

「始め!」


 合図と同時にアリーナは走り出し、マーニャはメラミの火球(かきゅう)を放つ。
 アリーナは火球の動線(どうせん)を見極め、進路を(わず)かにずらして火球を()け、(ほとん)ど速度を落とさないまま走り続ける。

 マーニャが、ナイフを投擲する。
 火球で一瞬、視界を(さえぎ)られていたアリーナは、ナイフを認めた瞬間に、横に()んで回避する。
 足の止まったアリーナの眼前(がんぜん)にマーニャが迫り、同時にベギラゴンの火炎が(ひろ)がり、アリーナを包み込もうと殺到する。

 アリーナは後ろに大きく跳び退(すさ)り、寸でのところで火炎を()ける。
 ふたりの間で火炎は渦を巻き、両者の視界を遮る。

 火炎の渦を突き抜けて、イオラの光球(こうきゅう)が飛んで行く。
 光球が炸裂
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