暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-25王子と踊り手
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
然のことを、したまでです!」

 ひそひそと話し合う仲間たち。

「あらあら、ホフマンさんたら。」
「ふむ。クリフトはあれでなかなか、城の若い男共に人気があっての。いや、人当たりが良いゆえ、老若男女(ろうにゃくなんにょ)に、というべきかの。無理も無いの」
「そうは言っても、相手がわりいな。深みに()まらねえでよかったか」
「相手が、王子様じゃね」
「そっちも脈はなさそうだがな」
「クリフトも、向けられる好意には(うと)いでな。やはり、望みは薄かろうの」

 自分たちのことを言われているとは気付かない若者たちは、更に言葉を()わす。

「ホフマンさんが気を配ってくださったことで、随分助かったと聞いています。お仕事だとしても、やはり有難いですわ」
「そ、そうですか!とにかく、元気になられて、よかったです!」
「ホフマンさんは、こちらで修業をされているとか。ホフマンさんなら、きっと立派な商人さんになれますわ。頑張ってくださいね」
「は、はい!クリフトさんも、お身体(からだ)にお気を付けて!」
「ホフマンさん、元気でね」
「ホフマン、世話になったな」

 少女とアリーナに声をかけられ、ほっとしたようにそちらに向き直るホフマン。

「はい!おふたりも、お元気で!パトリシアを、よろしくお願いします!」

 また、ひそひそと話し合う仲間たち。

「まだまだだな」
「もっと、話を広げればいいのにねえ。」
「中途半端に親しくなっても、傷を負うだけでは」
「いやいや。想い人がはっきりしておるがゆえに、これまで想いを伝えてきた者はおらぬようでな。強く押せば、わからぬよ」
「なら、どっちにしても無理だな」

 ホフマンが、見咎(みとが)める。

「みなさん?どうかされましたか?」
「なんでもねえよ。ホフマン、達者(たっしゃ)でな」
「修業、頑張ってくださいね」
「色々と、世話になったの」
「身体を壊さないように、気を付けてね。」
「ありがとうございます!みなさんも、お気を付けて!旅のご無事を、お祈りしてます!」


 ホフマンの見送りを受けながら、町を出て船に向かう。

 トルネコが手綱(たづな)を取り、ブライとクリフトは馬車で休み、アリーナ、少女、ミネア、マーニャが馬車の外を歩く。

 アリーナは少女が経験を積む(さまた)げにならないよう、適度に敵を引き付け、適度に敵を倒す。

「これはこれで、なかなか楽しいものだな!」
「オレらの仕事がねえな」
「ホフマンさんもトルネコさんも、前衛(ぜんえい)向きとは言っても、訓練を積んだ人ではなかったからね。頼もしいね」
「アリーナは、すごいね」
「ユウも、なかなかのものだぞ!これで魔法の使い方に慣れれば、俺も危ないかもしれない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ