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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-25王子と踊り手
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ミネアは、じっとりとクリフトを見る。
「クリフトさん……。煽ってどうするんですか」
「す、すみません!アリーナ様、どうか危険なことは、おやめください!」
狼狽
(
うろた
)
えながらもアリーナを止めようとするクリフトに、ブライが
囁
(
ささや
)
く。
「マーニャ殿の鋭い魔法攻撃を、華麗に回避される王子は、さぞ
凛
(
り
)
々
(
り
)
しかろうの」
「……」
クリフトの動きが、止まる。
「クリフトさん?」
ミネアが、
訝
(
いぶか
)
しむ。
更に、ブライが囁く。
「滅多に見られぬ王子の真剣なお顔も、見られるかもしれぬの」
「……」
「……クリフトさん」
「……申し訳ありません。いけないとは解っていても、アリーナ様の凛々しいお姿を想像すると、よろめいてしまう。私は、弱い人間です……」
「……トルネコさん!」
クリフトの陥落を受けて、今度はトルネコに向き直るミネア。
トルネコは、
諭
(
さと
)
すように言う。
「ミネアさん。あきらめも、肝心よ。」
「だけど、兄さんが、王子様に、万が一にも傷跡を残すようなことになったら……!うう、胃が、キリキリと」
「ミネアさんなら、治せるわよ。クリフトさんも、いるのだし。」
「その王子様とばあさんがいいっつってんだ。気にするこたねえだろ」
「気にするよ!普通は!」
呑気
(
のんき
)
な兄に、思わず声を荒げるミネア。
少女が、声をかける。
「ミネア。大丈夫?」
少女の気遣いに、思わず
縋
(
すが
)
る
眼差
(
まなざ
)
しになるミネア。
「ユウ……。あまり大丈夫ではないです……」
「わたしは、魔法があまり得意じゃないから。マーニャが本気で魔法を使って見せてくれるなら、見てみたいけど。ミネアがそんなにいやなら、
止
(
と
)
めたほうがいい?」
「……ユウは、見たいんですね」
「うん。でも、ミネアがいやなら、いい」
「…………わかりました。万一のときには、私が責任を持って、治しましょう」
しばしの
逡巡
(
しゅんじゅん
)
の後、吹っ切れたように宣言するミネア。
「では、いいんだな!」
「面白そうだからな。ま、付き合ってやるぜ」
喜ぶアリーナと、
満更
(
まんざら
)
でも無いマーニャ。
まだ心配そうな少女。
「ミネア。ほんとに、いいの?」
「ユウを育てるのも、私たちの旅の目的ですからね。兄さんが意味もなく他人を傷付けるのは、
論外
(
ろんがい
)
ですが。意味のあることなら、仕方ないでしょう」
「そう。ありがとう、ミネア」
和
(
なご
)
やかな空気を
醸
(
かも
)
し出す少女とミネアの様子に、アリーナが呟く。
「一応、俺が魔法を受けること自体にも、意味はあるという話だったと思うが」
「ミネアの奴も、嬢ちゃんには甘いな」
「そ
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