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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-24乙女の想い
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とは」

 突然様子の変わったクリフトに、きょとんとする少女。

「クリフト?」
「そ、それに私は、神に(つか)える身でもありますし!神の花嫁たるシスターとは違い、婚姻(こんいん)も許されるとは言え、このような未熟な身で、色恋(いろこい)などとそのような」
「……よく、わからないけど。したうっていうのは、好きとは違うの?」
「……え?……そうですね、好き、と言うことも、出来ますね。そうですか、そういう意味ですか」

 動揺から一転、脱力するクリフト。

 話を続ける少女。

「そう。好きなのね。だから、一緒に旅をしているの?」

 クリフトも、気を取り直して答える。

「はい。アリーナ様は、当初はひとり旅をご希望でしたが。おひとりで旅にお出しするわけには参りませんし、居心地(いごこち)の良い城を離れて旅に出たがる者も、多くはありませんし。それならば私がお供して、少しでも楽しい旅に出来ればと。今もその想いは変わりませんが、状況は厳しくなりましたので。加えて、身命(しんめい)()してもお(つか)えしようと、思っております」
「そう。アリーナは、幸せね」

 少女の言葉に、クリフトが一瞬考え、躊躇(ためら)いがちに返す。

「そう、でしょうか」
「うん。(つら)いことも、あったと思うけど。今、自分を想ってくれる人たちと、いられるのは。幸せだと、思う。わたしも、そうだから」
「……ユウさんは、今、お幸せなんですね」
「うん。悲しいことは、あったけど。それが、なければよかったとも、思うけど。今、みんなといられるのは。幸せだと、思う」
「そうなのですね。それは、本当に良かったですわ」
「でも、クリフトが死んじゃったら、アリーナは悲しいと思うから。死なないで、ね」
「はい。死んでしまっては、もうお仕えすることも出来ませんから。勿論ですわ」


 ふたりの前を歩くトルネコが、ブライに(ささや)く。

「まあ、まあ。クリフトさんは、そうなんですのね?」
「うむ。王子はどうも、そういったことにご関心が薄いようでな。少しでも良い影響があればと、思うておったのじゃが。クリフトは能力も人柄(ひとがら)も問題無いゆえ、そうなっても悪くは無いと、思うておるのじゃが。なかなか、上手くはゆかぬのう」
「あら、まあ。あたしも、なにかご協力したほうが、いいかしら。」
「いや。その気にならぬうちから、無理に事を押し進めては、(かえ)ってお心を遠ざけよう。王子のお相手が、クリフトでなければならぬことも、無いしの。今は、見守るが良かろうて」
「そうですわね。自然の成り行きにまかせたほうが、いいですわね。」


 女性たちは商店街にたどり着き、防具屋でブライの金の髪飾りを選ぶ。

「ふむ。思った以上に、品
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