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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-24乙女の想い
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()らし、マーニャは少女の頭を()でる。

「……わたし。小さい、かな?」
「大人に比べりゃ、小せえな」
「……そう、よね」
「なんだ?気にしてんのか」
「……どう、かな?」
「わからねえのか」
「小さいと、強くなれないと思ってたから。強くなれれば、小さくてもいい、のかも」
「いいんじゃねえか。ガキなんだし、落ち着くしな」
「うん」

 盛り上がったり(なご)んだり、忙しい仲間たちを(なが)めながら、ミネアが(つぶや)く。

「二物に三物か。確かに、そうだけど。代わりに失ってるものが、大きいからなあ……」
「あ?なんか、言ったか?」
「言ったけど、もういいよ。無い物ねだりをしても、仕方ない」
「なんか知らねえが、いいってんならいいな。姐御にばあさんは、買い物はいいのか?店が閉まるぜ」

 興奮していた女性陣が、(われ)に返る。

「あら、いけない。そうね、早く行かないと。選ぶ時間が、なくなっちゃうわね。ブライさん、まいりましょう。」
「うむ、そうじゃな。長く使う物じゃ、しっかり選ばねば」
「私も、お供いたします」
「ユウちゃんも、行きましょう?」
「うん、行く」
「んじゃ、オレらは宿に帰るか」
「そうだね」
「マーニャ!時間があるなら、手合わせを」
「しねえ」


 トルネコとブライは商店街に向かって歩き出し、クリフトと少女も続く。

 なんとか手合わせを承諾させようとマーニャに(まと)わりつくアリーナを目にして、クリフトは嬉しそうに微笑んでいる。

 少女が問う。

「クリフト。なにか、いいことがあったの?」
「はい。アリーナ様が、お楽しそうで。良かったですわ」
「そうなの。アリーナは、いつも楽しそうに見えたけど。戦いのときも、手合わせのときも。積み荷を運んでたときも」
「ユウさんは、アリーナ様と手合わせをされたのでしたね。魔物と戦うことも、家臣では無い方と手合わせをされることも、積み荷を運ぶといった雑用に参加されることも、あのように邪険(じゃけん)になさる(かた)と交流されることも。どれも、お城におられる間は、お()()にならなかったことですから。外に出られてからのアリーナ様は、本当にお楽しそうで。良かったですわ」
「そうなのね。わたしも、外に出てから知ったことが、たくさんあるけど。アリーナも、そうなのね」
「はい。私も、外に出てから学んだことが、沢山(たくさん)ありますわ」
「クリフトは、アリーナが、好きなのね」
「ええっ!?」

 少女の発言に、クリフトが驚き、慌てふためく。

「そ、それは!勿論(もちろん)、家臣として、お(した)いはしておりますけど!す、好き……などと!断じてそのような、(ぶん)不相応(ふそうおう)なこ
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