暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-24乙女の想い
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いいですわね。」
「おお、さすが姐御(あねご)だな。よく押さえてるぜ」
「ホフマンさんと、お話を聞きましたからね。」
「マーニャ、踊るのね」
「おう。来るか?」
「うん!」
「マーニャは、芸人と言っていたが。踊りをやるのか。道理(どうり)で、動きが良いと思った。戦いの身のこなしの参考になりそうだな、俺も行こう」
「そういえば、あたしも見たことはありませんわね。ブライさん、お買い物の前に、見に行ってもいいかしら。」
「うむ。わしも、興味があるでの。そうしましょうぞ」
「では、私もお(とも)いたしますわ」
「なんだ、結局全員か。ま、(にぎ)やかしになっていいな。じゃ、食って少し休んだら、行くぞ」


 昼食後の食休みを取り、広場の使用許可を受けて、一行は町に出る。

 講義の行われる場所には(わず)かながら人が残っているが、事情を話せば(こころよ)く、むしろ娯楽を楽しみに、喜んで場所を譲られる。

 宿からも話を聞きつけて来た客が集まり、人集(ひとだか)りが更に人を呼んで、始まる前から盛況(せいきょう)となる。

「宣伝もしねえのに、随分集まったな。ま、好都合だ」
「それじゃ、始めようか」
「おう」


 いつものようにミネアが笛を吹き、曲に合わせてマーニャが舞う。

 少女やトルネコ、町の者たちはもとより、城に出入りする踊りの巧者(こうしゃ)たちで目が()えているはずのアリーナたちも、吸い寄せられるように()()る。

 (はや)し立てることも忘れたように踊りを、その挙動(きょどう)のひとつひとつまでを、息を詰めて見つめていた観衆が、曲が終わると共に歓声を上げ、おひねりを投げ込み、再演を熱望する。

 講義までまだ時間があることを確認し、別の曲で別の舞いを行い、更なる喝采(かっさい)を浴びて、大好評のうちに興行(こうぎょう)を終える。



「マーニャ殿が、このような素晴らしい踊り手であったとは!天は、二物(にぶつ)三物(さんぶつ)も与えるものじゃな!」
「ありがとよ。こっちが、本業(ほんぎょう)だからな」
「あんなにすてきなものを、今まで見なかっただなんて!なんてことかしら!」
「姐御が故郷(くに)に戻ってたときに踊ってたんでな。悪かったな」
「本当に、素晴らしかったですわ!国王陛下の御前(ごぜん)で舞われる方々(かたがた)でも、ここまでのものではありませんでした!」
「クリフトでも、そんなんなるんだな」
「素晴らしい身のこなしだったな!ますます、手合わせがしてみたくなった!」
「しねえっつってんだろ」
「やっぱり、マーニャは、すごいね!」
「……なんか、嬢ちゃんだと落ち着くな。小せえからか?」

 アリーナと女性たちが詰め寄る(さま)から目を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ