第76話 =信じたくないもの=
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間にかユカが来ておりその手に持った投剣を逆手に持ち袈裟斬りに振り下ろしてくる。いくらこの世界に敏捷値がないと言ってもあいつはその速いスピードで2年間を生きてきたという積み重ねがあるからこの世界で速く動けるようになった俺とは全然違う。そのため斬撃を完全に見切れずにそのまま切り裂かれる。
「あぁぁぁ……」
さらに追い討ちかのようにグワンとした不思議な感覚が体中を包み、次の瞬間には俺の体は宙に浮いていた。腕を動かそうにも金縛りや麻痺毒にあったように体がいうことを利かない。
「…な…なんなん…だよ……これ…!!」
どうやらユカが何かしらの方法でやっているらしい。いや、これは恐らく魔法だ…ALOではまだ実装されてないようなテスト中の魔法…。
ユカはブンっと手を振るとそれに反応するかのように俺の体も動いて壁に思い切りぶつけられる。
「かはっ…!……ぐあぁっ!!」
肺の中の空気が一気に押し出され、さらに投剣が投げられて身動きできない俺の右腕、両足を深々と貫通しうしろの壁へと突き刺さる。そのせいで完璧に壁に固定された形になった。
「…誰かと思えばぁ……リクヤ君かぁ?」
「……誰…だ…?」
息するだけで腹が動くのでナイフが擦れて痛い…。だがそれでも俺は突然出てきた粘着質な声の持ち主へと質問を投げかける
とその人物は気持ち悪い笑みを浮かべた。
「おっかしいなぁ…一度会ってるんだけどね。……ほらぁ、僕だよ……」
「…まさか……廣…田……」
あの表情はどこかで見たことがある…。そうだ、明日奈の病室で須郷の隣にいたやつが一瞬見せた表情だ。
「大当たりー……だがここではシンベリン“様”と言ってくれないかなぁ!?」
「ぐぁっ!!」
思い切り腹を殴られ全身を痛みが襲う。…これは神経で感じた不快感ではなく本物の痛みだ…。何故?と聴こうとした瞬間向こうからこちらを完全に見下したような口調で言ってくれた。
「まだペイン・アブソーバはレベル6…こんなので声をあげてもらっちゃあ困るんだけどなぁ!!」
「うぐっ……!」
目の前にいる男は俺の腹に刺さったままの投剣をそのまま握り締め、ゆっくりと抉るようにグリグリとさらに奥へと突き刺していく。こんなところまで再現しなくても…ってくらいの鮮血のエフェクトが流れ出ていく。
「…っ…ハァ………ハァ……お前……。…ユカに…何したんだよ……」
「くひッ……教えてほしいかい…。…彼女、結城悠香さんには僕と須郷さんで進めていた実験の対象者第1号になってもらったのさ!!」
「…実……験…?」
「どうせ死ぬんだ、教えてあげるよぉ……元SAOプレイヤーの皆さんのおかげで、思考・記憶操作技術の八割はすでに終了している。ただ残りの二割っていうのは
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