第76話 =信じたくないもの=
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足場や壁がだんだんと岩のようなものへと変化していき今はもうどこかの洞窟のようになっている。でも、ルグルーのような綺麗なところじゃなくて地の底にまで続いているような不気味な、さっきのエレベータとは違った意味でアルヴヘイムにはそぐわないような感じだ。
さらにしばらく進むとけっこう開けた場所に出た。
「…ここにユカが…?姉妹で天と地の差だな…」
スクリーンショットでしかこの世界のアスナは見たことが無いがそれでも綺麗な鳥かごに囚われているのはあの写真をみれば誰でもわかる。だがここは洞窟の行き止まりを無理やり部屋にしたかのような…居心地のいい場所では絶対にない。
「……おーい、ユカー!!………いないのか……。…っっ!?」
辺りを見渡してもユカのユの字すら見えない。ユイが嘘ついているとも思えないし…洞窟のような通路にも横道のようなものは無かったよな…といろいろ考えていると突然何か銀色に光るものが。すんでのところでそれを避けるとそれはザクっと地面へと突き刺さる。
「……これって…!?」
地面に刺さったそれを見るとデザインはいつものリズ特性ナイフとは明らかに違うが、明らかに投剣に使うような短い刃だった。何の確証も無いけど……間違いない、ユカだ。ナイフの飛んできた方向を見るとどこから出てきたのかは知らないけどなにやら人影が。次第に鮮明になっていきやつれてはいるものの、あの世界でいつも見ていた姿が見えてくる。
「…あのー…もしかして………怒ってらっしゃいま…す…?」
返事は無い、ただの屍のよう……じゃなくて。ナイフ投げられたからもしかしてそうかな、って思ったけどどうやら違うらしいが顔から表情が読むほどが出来ないほど表情がない。
「…ん…?」
さすがにおかしいと思い近づくと、突然ユカは無表情だったその唇を歪め、その手に投げナイフをいくつか取り出してそれを一気に投げてきた。
「え…?……ぐっ!?」
ユカの突然の行動に驚いたが反射神経が反応したのか体を思い切り捻らせることで何とか掠る程度に抑えたがここでおかしなことが1つ起こった。斬られたのは腕なのだがその腕から本当に斬られたような鋭い痛みが走り、思わず声を上げてしまう。
「おい、ユカっ!!」
「……」
こんな場所でキャリバーンはまず抜けないし、ユカに刃を向けるのはしたくない…。そんな俺の気持ちなど知る由もなく、さらにユカは無言でナイフを投げてくる。
「…こん、のっ!!」
この世界に来て初めてテニスの恩恵を受けたと今実感した。投剣は大体が真っ直ぐ飛んでくるのでボレー感覚でそれを全て拳で打ち落とせばいい。だた、投げてくる数が数のせいでいくつかが体を掠り痛みが走る。
「痛ぅっ……がぁっ!!」
さらに次の瞬間、目の前にはいつの
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