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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第五十六話
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最初の報告とその後に続く報告により進軍ルートの予想は立ち、それを迎えるに適した兵の配置を調整する。
 なんにせよ密集隊型を組んでは隕石(メティオ)のいい的になるのは間違いなく、適度に散開させた中規模の部隊を幾つも編成してある。
 それは各個撃破の好餌となるものではあるが、一つの隊が敵と接敵した場合、すぐに他の隊が合同し充たれるように手旗による交信に重きを置き、各隊の意思疎通を円滑に行えるよう訓練をしてきた。
 さすがに敵も自分の味方ごと巻き込んで隕石(メティオ)を降らせないだろう……
 各部隊長には自由な裁量と共に負担もまた大きくなるが……やりがいはあるはずだ!




 ダーナ市街から西方で敷かれた陣で多くの兵を前に出陣前の激励を行う。
 まずはマナナン王からだ。

「……余はここに宣言する。暴虐にして無慈悲なグランベル、いやヴェルトマー公国とその走狗たるドズル公国からこの街を守るのは誰であるかと………そう、我らであると!」
「 『応ー!』 」
「不幸な行き違いがあったとは言え、否!、その汚名を返上するために、我らはここに居ると!」
「 『応ー!』 」
「………では、総大将からの訓示、皆の者心して聞くがよい!」

 ……総大将などと言われると緊張が跳ね上がるのだが!
 未だマナナン王の檄で興奮冷めやらぬイザーク、ダーナ共同軍の前で俺は深呼吸をする。
 ざわめく多くのイザーク兵、そしてずっと少ない自らの手勢であるレイミア隊、それにダーナ守備隊を見やり、気合を入れる。


「国や身分は違えど集まってくれた皆に、まずは感謝する!」

 再びの歓声に身が引き締まる思いをしながらも言葉を続けようと汗ばむ手を握りしめる。
 俺の言葉の続きを待っているかのような皆に向かって精一杯、声を張り上げた。

「まず、我々は必ず勝つ! これは揺るがしようの無い未来だ! だが、それを阻まんとする意地の悪い神、慢心って奴がいる。 こちらが勢いに乗り、押して居る時にこそ冷静になり、周囲に気を配って欲しい! ……そして、その勝利をここにいる全員、そして今は別の場所で配置に着いている多くの仲間と分かち合いたい! ゆえに、功に逸らず、仲間の、そして自分の命を惜しめ! 我々の正しさを一人でも多く語り継ぐんだ。そして、子や孫に武勲の自慢話を何遍も何遍もやってうんざりさせてやろうぜ!」 


 ……出来のいい演説じゃあ無いが、作られた雰囲気のおかげで士気は上がり、俺は三度目のダーナ防衛戦に出撃する!
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