自由
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sideユウヤ
「おい、お前さんそろそろ起きろ。フライハイトに着くぞ」
ドアを叩く音と共に俺を起こそうとする声が聞こえ、俺は目を覚ます。俺は扉を開け、起こしに来てくれたおやじさんに挨拶する。
「おはようございます」
俺が今いる場所は、ある次元貿易会社の貨物船の中にいて、フライハイトと呼ばれている管理世界に向かっている。第三十二管理世界、現地名称フライハイト、管理局員の中ではかなり有名な管理世界で、局員からは『管理局泣かせ』の名で知られていて、局員が一番駐在したくない世界第一位でもある。そして管理世界一犯罪が多発する世界ということで、かなり危ない世界として一般の人にも知られている。
「おまえさん、よく眠れたか?」
今俺と話している人はこの次元船の船長で、俺はおやじさんと呼んでいる。俺があの施設から逃げだし、次元港でこの貨物船に乗り込み貨物室に隠れていた時に、最初に会った人で、俺の話(少々事実を伏せているが)を信じてくれて、この船に乗せてくれた人でもある。ある意味命の恩人である。
「はい、おかげさまでよく眠れました」
実際は、いつ管理局が襲ってくるか、びくびくしながら夜を過ごした為、全く眠れなかった。少し警戒しすぎた気がする。
「それはよかった」
「おやじさん、そろそろ仕事に戻った方が…」
「ああ、そうだな。それでは、また後でな」
俺が適当に朝食を食べているうちに、いつの間にかフライハイトの次元港に着いていた。俺は急いで荷物をまとめこの船を降りようとした。
「もう行くのかね?」
おやじさんが尋ねてきた。
「はい」
「それは寂しくなるなぁ〜」
俺は、気まずくなり少し話題を変えることにした。
「あの〜本当に持って行っていいんですか?」
「ああ、いいんだよ。おまえさんには死んもらいたくないからなぁ〜」
本当にこのおやじさんは、優しい人だ。見ず知らずの俺に息子の形見であるこのデバイスをくれ、そして思い出したくもないことを話してくれたのだから。
おやじさんの息子は、元管理局員だった。約十年ほど前に、ある重役を護衛する任務に就いた。後少しで任務が終わるという時に、ある反管理局組織の襲撃をうけた。その時に一緒に護衛をしていた将来有望視されている、いわゆるエースの卵が強力な魔法を放ち撃退に成功した。いや正確には失敗だったらしいのだが、放った魔法のせいで視界は最悪、反管理局組織はその隙に、重役を暗殺そして、管理局は未来のエースに汚れをつけたくないのか、裏で暗殺の手引をしていて、暗殺したのは、おやじさんの息子ということにしたらしい。
おやじさんが真実を話しているのかは、調べようがないがおやじさんが俺の事を信じてくれたように、俺もおやじさんの事を信じるこ
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