第7話
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していると、床が光り始め徐々に形を作っていく。
「何事さ?」
「渚! グレモリー眷属の魔法陣だ!」
兄さんの声に、やっときたかと思いながら、強引に神父を弾き飛ばす。床に描かれた魔法陣から、見知った悪魔たちが出てきた。
「兵藤くん 、助けに来たよ」
祐斗がスマイルを兄さんに送る。さすがに今は睨み返したりはしなかった。
「あらあら。これは大変ですわね」
「・・・・・・・神父」
朱乃先輩に小猫ちゃん。どうやら、仲間が到着したようだ。
「ひゃっほう! 悪魔の団体さんに一撃目!」
フリードが構わずに斬りかかってくる。僕はそれを受け止める。
「祐斗! 代わってくれ」
「まかせて! 悪いね。彼らは僕らの仲間でさ! こんなところでやられてもらうわけにはいかないんだ!」
「おーおー! 悪魔のくせに仲間意識バリバリバリューですか? 悪魔戦隊デビルレンジャー結集ですか? いいねぇ。熱いねぇ。萌えちゃうねぇ! 何かい? キミが攻めで彼は受けとか? そういう感じなの?」
「・・・・・・・・・下品な口だ。とても神父とは思えない・・・・・・・。いや、だからこそ、「はぐれ悪魔祓い」をやっているわけか」
祐斗とフリードの会話を背に兄さんに近づく。
「兄さん、そのシスターさんは僕に任せてくれないかな?」
「ん、 なんでだ?」
痛みに顔を歪めながら兄さんが訊いてくる。悪魔にとって光は猛毒なそうなので、兄さんはよく我慢している。
「この魔法陣はグレモリー眷属専用なんだ。人間の僕たちは転移できない。だから、祐斗が相手をしてくれるうちに、一足先にその子と僕は脱出しようと思って」
「わかった。アーシアを頼む。さぁ、アーシア」
少し、びくびくしながら、僕に近づいてくる。
「初めまして、兵藤渚です。キミが庇ってくれたのは僕の兄さんなんだ」
「?」
・・・・・・そう言えば、日本語わからないんだっけ? 兄さんが僕の言った言葉をアーシアに訳してくれたようだ。悪魔は便利だな。
「ハジメマシテ、アーシア・アルジェントデス」
片言だが、日本語で返してくれる、アーシアさん。
「乗って」
彼女に背を向けて、乗るように促す。言葉はわからなくとも、通じたようで背中にのっかってくれた
「ちょっと、そこのキミィ。アーシアたんをどこに連れてくつもりですかぁ!」
「お前に、教えるはずないだろ!」
僕の代わりに兄さんが答える。
「Are you ready?」
「Yes!」
背中に乗ったアーシアさんの返事を聞いて、僕は再び空へ駆け上がった。
Side out
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