第6話
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神父を見ると片手に拳銃が握られ、そこから煙が出ていた。
「ぐあぁぁ!」
呻きながら膝をつく。この痛みは覚えている。光の痛みだ。
「死ね死ね悪魔! 死ね悪魔! 塵になって、宙を舞え!」
笑いながら俺に止めを刺そうとしてくる。
「やめてください!」
聞き覚えのある声がした。視線だけを向けると俺の知っている子だった。
「アーシア!」
俺が教会まで連れて行った金髪のシスターがそこにいた。
「おんやぁ? なんのつもりかな、アーシアちゃん?」
「! い、いやぁぁぁぁぁ!」
壁に打ち付けられている死体を見て悲鳴を上げるアーシア。
「かわいい悲鳴ありがとう! この手の死体を見るのは初めてですかねぇ。悪魔に魅入られた人間はそうやって死んでもらうのですよぉ」
「そ、そんな・・・・」
ふいに彼女の視線が俺をとらえた。
「フリード神父・・・・・・その人は?」
「人? 違う、違うこいつはクソ悪魔さ」
「―――っ。イッセーさんが・・・・・悪魔・・・・・?」
その事実にショックだったのか、言葉を失っている。
・・・・・・・・知られたくなかった。あのままでよかったんだ。知らないままでよかった。俺は二度と会うつもりなんてなかったのに・・・・・。
「なになに? キミら知り合い? もしかして、悪魔とシスターの許されざる恋とか?」
面白そうに言う神父。こいつは俺たちを交互に見ていた。
「アハハ! 人間と悪魔は相いれません! 特に教会関係者と悪魔ってのは天敵だ! まあいいや、とにかく俺はこの悪魔を殺せればぁ」
まずい、このままじゃ殺される。そう思うと俺と神父の間にアーシアが割り込んだ。
「おいおい、マジですかー。アーシアたん、キミ、なにしてるかわかってる?」
「はい。・・・・・フリード神父、お願いです。この方を許してください」
その一言に俺は声を詰まらせる。
「なにを言ってやがりますかぁ? 悪魔はクソだって教会で習ったろろうがぁ!」
フリードはキレている。
「悪魔にだっていい人はいます」
「いねぇよ! バァァァァァァカ!」
神父がアーシアを殴る。アーシアは床に転がった。
「堕天使の姉さんからはキミを殺さないように言われてるけど、ちょっとムカつきマックスざんすよ」
「おい、アーシア!」
神父は倒れたアーシアを一瞥し、再度、俺に光の剣を向けてくる。
「庇ってくれた女の子を前にして、逃げらんねぇよな。よっしゃ、こい!」
俺が勝てる見込みは少ないが、女の子を置いて逃げられるわけがない!
「え? え? マジ? マジ? 俺と戦うの? 死んじゃ――ウゲラッ!」
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