第6話
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く。ドアから顔を覗かせて、部屋を見ると光の正体はロウソクだとわかった。
「ちわース。グレモリー様の使い魔ですけど・・・・・・・。依頼人はいらっしゃいますか?」
返事はない。仕方ないので部屋の中へ踏み込む。ソファー、テレビ、テーブルなどが置いてある。どうやらリビングのようだ。俺はゆっくりと部屋を見渡す。
(ん? あれは・・・・・)
ふと、壁に視線を移すと男の死体が上下逆さまで張り付けられていた。傷口から内臓らしきものも零れて―――――
「おぉうぇぇぇ」
俺はその場で吐いてしまった。生憎、今までこんな姿の死体を見るような経験はない。我慢などできなかった。こんな殺し方は常人の神経では無理だ。さらによく見ると、壁になにか書いてある。
「な、なんだ、これ・・・・・?」
「『悪いことする人はおしおきよ!』って、聖なる言葉を借りたものさ」
突然、俺の後ろから若い男の声がする。振り向くと、白髪の男がいた。若い。外国の人で、十代くらいじゃないか? 服装は神父っぽい。ついでに美少年だ。クソがッ!
その神父は俺を見るなり、ニンマリと笑う。
「んーんー。これは、これは、悪魔くんではあーりませんかー」
何故だか、実にうれしそうだ。
先日の部長の言葉を思い出す。教会関係者にはかかわってはダメって言っていたはずだ。目の前にいる少年は格好からして神父だろう。俺のことを悪魔と認識しているし、これはもしかしてピンチ?
「俺は神父♪ 少年神父♪ デビルな輩をぶった斬り〜、ニヒルな俺が嘲笑う〜♪ お前ら、悪魔の首刎ねて〜、俺はおまんまもらうのさ〜♪」
神父が歌い出す。なんなんだ、こいつ! 訳がわからんぞ!?
「俺のお名前はフリード・セルゼン。とある悪魔祓い組織に所属している末端でございますですよ」
神父が名乗るが、俺には名乗らなくていいと言う。出会ったことのないタイプだ。言動もメチャクチャだぞ。だが、とりあえず、こいつには聞きたいことがある。
「おい、おまえか? この人を殺したのは?」
「イエスイエス。俺が殺しちゃいました。だってー、悪魔を呼び出す常習犯だったみたいだしぃ、殺すしかないっしょ」
な、なんだそりゃ!
「あんれ? 驚いてるの? 逃げないの?おかしいねぇ、変だねぇ。つーかね、悪魔と取り引きするなんて人間としえ最低レベル、クズ街道まっしぐらっスよ。」
その辺理解できまでかねぇ。と続けるフリードとかいう神父。ダメだ、こいつ! 話にならねぇ!
「もういいかな、かな? いいですね? 了解です。今から光に刃を突き立てちゃいます!」
神父が駆けだしながら、光の剣で俺を攻撃してくる。俺はすんでのところでそれを躱すが、足に激痛が走る。
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