第5章 契約
第62話 海軍食の基本と言えば?
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」
実際、土地神を召喚して見た結果、今回の武器弾薬や燃料が消えている事件は何らかの魔的な事件で有る可能性も出て来たと言う事ですから、この事件を究明すれば、この街に漂う陰気の理由が判ると思います。
ならば、この土地神の申し出を受けたとしても問題はないでしょう。
そして、俺の答えを聞いた土地神が満足そうに首肯きながら、顕われた時と比べると丁度ビデオの逆回転を行うかのような形で、深い霧に閉ざされた向こう側へと消えて行った。
これで、厄介事を引き受けさせられる代わりに、俺はこの土地で行動する際には、土地神の加護を得る事が出来るように成ったと言う事でも有ります。
もっとも、土地神の能力を超える相手が介入して来て居た場合には、その程度の加護など意味を為さないのですが。
土地神が去り、倉庫街に霧に閉ざされた夜に相応しい静寂が、再びもたらされた。
その場で感じるのは、俺と、そして、自らの傍らに立つ少女の吐息と、それがもたらせる僅かな空気の動きに因って拡散される霧の気配のみ。
「そうしたら、あの部屋に帰ってから、晩飯にしますか」
土地神が顕われてから、一切の言葉を挟む事もなく、俺と土地神のやり取りをただ見つめるだけで有った、自らの隣に佇む少女にそう声を掛ける俺。
もっとも、彼女やタバサが口を挟んで来る事は殆んどないので、今回の事も、そう違和感が有る訳でもないとは思いますが。
俺の問い掛けに、少し視線をずらして土地神が消えて行った先を見つめた後、もう一度、視線を俺に戻してから、微かに首肯く。
その視線の動きと、そして答えを示すまでの空白に、少しの違和感。
この感覚は……。
「……さっきの土地神に、何か気に成る点でも有るのか?」
俺は、疑問に思った事を素直に、そう湖の乙女に対して問い掛けた。
そう。確かに、俺が先ほど顕われた土地神に感じたのは、少なくとも邪悪な雰囲気では有りませんでした。しかし、それは俺が感じた雰囲気で有って、湖の乙女は別の感覚を覚えた可能性は有ります。
まして、彼女の方が、探知に関する能力は上の可能性も有りますから。
しかし、湖の乙女は、ゆっくりと首を横に振った。そして、
「あなたは、先ほどの土地神の話を断ると言う選択肢も存在していた」
……と問い掛けて来る。
成るほど。彼女が疑問に思ったのはその部分ですか。
確かに、俺は、簡単に運命などと言う、誰か判らないヤツから押し付けられた仕事などを受け入れる心算は有りません。
但し、今回の件は、押し付けられた運命や宿命などと言う物では有りません。
「何もかも否定したとしても始まらないからな」
先ず、俺はそう答える。
それに、実際、この俺が追っている物資の横
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