第5章 契約
第62話 海軍食の基本と言えば?
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も、確実に彼を抑え込むようなマネが出来るかどうか……。
まして、土地神を滅して仕舞うと、次の土地神がこの地を守護するように成るまで、この地は土地神からの霊的加護を得る事が出来なく成ります。そうなると、当然のように、その隙間に入り込もうとする魔の者が存在しないとも限りませんから……。
ここは話をこじれさせて関係を悪化させるよりも、礼儀正しく対応した方が良い結果をもたらせる事と成ると思いますね。
「聞いてやるから、言ってみろ。竜の一族に連なる者」
かなり上から目線の言葉では有りますが、それでも一応、俺の言葉に耳を傾ける心算が有る事が判る言葉を発するブレストの土地神。
ただ、この土地神は明らかに不機嫌な雰囲気では有りますが、それでも悪意はない様子。
少なくとも、交渉は可能な相手だと言う事ですか。
「この地を戦乱の渦に巻き込む企みの為か、この倉庫より、武器弾薬や燃料を盗み出した者達の正体を知りたいのです」
それならば、迂遠な問い掛けなど必要なし。そう考えて、単刀直入に問い掛ける俺。
もっとも、その物資の横流しを行って居る連中が、確実にこの地を戦乱に巻き込もうとしているのか、どうかについては判らないのですが。
ただ単に、お金が大好きで、物資を欲している連中に高値で売り付けて自らの懐に大金をねじ込みたいだけの連中の可能性の方が高いとも思いますから。
しかし……。
「そんな事はない。少なくとも、この倉庫から武器弾薬を盗み出した者はいない」
しかし、このブレストの土地神の答えは、俺が受けた命令の内容とは違った物で有った。
武器弾薬や燃料は消えてはいない。但し、帳簿上での不審な部分がなければ、このような命令。横領された物資の行方を探れ、などと言う命令が行われる事は考えられません。
まして、帳簿の記載ミス、などと言うオチは有り得ないと思うのですが……。
俺は、その答えを行った存在の発する気を、乳白色の霧に閉ざされた向こう側から、今までよりも深く感じる為に探知の精度を上げ、そして同時に、見鬼を行った。
しばしの空白。
……問題はなし。状況は良く判りませんが、少なくとも、ウソや偽りの証言を行う理由がこの土地神には有りません。更に、現在の彼が語った内容は、少なくとも彼の認識している事実で有る事は確かなようです。……と言う事は、秘密裡に武器弾薬や燃料を持ち出された事はない、と言う事なのでしょう。
そんな事。つまり、大胆にも、昼日中に物資を輸送する振りをして犯人たちが武器弾薬や燃料を持ち出した、そう言う犯行も絶対に不可能と言う訳では有りませんから。
「それならば、土地神様。この地に潜入していたエミール・アズナヴールと言う人物の行方を知らないでしょうか?」
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