第5章 契約
第62話 海軍食の基本と言えば?
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と言う街自体を完全に包み込んでいる。そんな気さえして来る鬱陶しい霧。
「このガリアには、硫黄を大量に産出する火山はたくさん有ったよな」
ゆっくりと歩みを進めながらの俺の問い掛けに対して、言葉にして答えを返す事は有りませんでしたが、普段のように、微かに首肯いて答える湖の乙女。
そう。地球世界のフランスからは考えられないのですが、このハルケギニア世界のガリアには、何故か、火竜山脈と言う呼び名の火山帯が存在して居り、硫黄は、ガリアの主要な産出品のひとつと成って居ります。
「それと、硝石丘も存在していたよな」
この問い掛けに対しても、先ほどのように、無言で首肯いて答える湖の乙女。
尚、この問い掛けの意味は、このハルケギニア世界のガリアが、火薬。黒色火薬の輸出大国で有る可能性を示している、と言う事です。
黒色火薬の原料は木炭。硝石。そして、硫黄。木炭は、広い国土内に豊富に木材を産出して居り、硝石は、天然に産出する物から人工的に作り出す方法までも持って居る。そして、硫黄についても豊富に産出されるのならば、其処から作り出される火薬はそれこそ、売るほど存在しているでしょう。
「現在のジョゼフ王が王太子時代に実用化された硝石丘により、それまで、イベリア半島でのみ産出されていた硝石を大量に、そして安価に生産出来るようになり、現在のガリアは黒色火薬や、肥料にも硝石を用いる事が可能と成って居る」
そして、湖の乙女がそう続けた。尚、この言葉の中に存在する硝石丘と言う言葉の意味は、人工的に硝石を作り出す為に使用する物で、確かナポレオンの時代にフランス国内で不足する硝石を補う為に開発された方法だったと記憶しています。
確かに、社会の制度が中世ヨーロッパの農奴制を行って居る封建制度の世界で有ったとしても、このハルケギニア世界は六千年の歴史を誇る魔法の世界。多少は、未来の技術が存在していたとしても、不思議では有りませんか。
それにしても……。
俺は、少し、イザベラの顔を思い浮かべてから、そして、ルイズとアンリエッタ。更に、キュルケの顔を順番に思い浮かべて行く。
そして、僅かにため息にも似た形で、肺に残って居た空気を吐き出した。
成るほど。ガリアは、今回のアルビオンとトリステインの実際の戦争に直接、兵を送るような事には成って居ませんが、戦争を行う上で必要な物資の供給と言う点に於いては、非常に重要な役割を演じている、と言う事に気付かされましたからね。
先ず、双方が必要とする火薬については、ガリアはハルケギニア世界最大の輸出国でしょう。
何故ならば、ゲルマニア。つまり、ドイツには大規模な硝石の鉱山と言う物が有る、などと言う話をタバサからは聞いた事が有りませんから。
そして、食
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