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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第62話 海軍食の基本と言えば?
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通用すると言う証明には成りましたか。

 もっとも、気付かれた場合は、少々、手荒な手段で一時的な記憶喪失症に成って貰うと言う方法が有ったのですが。

「それで、夕食に関してはどうする心算なんだ、ルイス?」

 艦隊勤務の食事……ですか。どう考えても、俺が食えるレベルの代物を出してくれるとは思えませんか。
 いくら、ここがガリアの艦隊の旗艦で有ったとしても、大和ホテルと言われた旧日本海軍の旗艦のように、士官には豪勢な食事を出してくれると言う訳ではないでしょう。
 それに、俺には湖の乙女の分の食事も準備する必要が有りますから。

「半舷上陸ですから、外で食べますよ」

 そう答えて置く俺。まして、今回の任務は物資の横流し犯の確保が主な任務。その程度の任務なら、それぞれの倉庫に行って、其処の土地神を呼び出して聞き出せば、誰が物資の横流しを行っているかなど瞬間に判りますから、今夜一晩だけ有れば、十分に解決する事件だと思います。
 こんな仕事はちゃちゃと終わらせて、タバサの元に向かうべきでしょう。

「確かに、ここの食事はそんなに美味いものじゃないから、その方が良いかも知れないな」

 俺の答えを聞いてから、笑いながらそう言ってくれるヴェルーニー海軍士官。少なくとも、付き合いの悪いヤツ、と言う悪印象を与えるような事は無かったと言う事ですか。
 そして、更に続けて、

「それじゃあ、俺は未だ仕事が有るから。まぁ、これから同じ船に乗るんだから、宜しく頼むよ」

 ……と言ってから、うなぎの寝床(俺の部屋)から出て行った。

 その彼の雰囲気からは、俺の事を疑う様子はない。多分、北花壇騎士団が行って居る俺の身分に関する情報操作に問題はなかったし、俺自身の演技にも破綻した個所はなかったと言う事なのでしょう。まして、湖の乙女の人間の認識をずらす術の効果も期待通りの結果だったと言う事だと思います。

 そう考えながら、俺は、持って居た大きくない荷物をベッドの上に放り上げる。
 本来は手ぶらでも良かったのですが、流石にそれでは問題が有ると思ったので、適当に着替えだけを詰め込んだような荷物のみを用意して有りましたから。

 その後、

「そうしたら、武器弾薬や火薬を備蓄して有る倉庫に行ってみるか」

 ……と、俺の放り出した荷物のすぐ横で、和漢の書物に視線を送り続けて居る少女に声を掛けたのでした。


☆★☆★☆


 既に夜の帳の降りたブレストの街は、昼間よりも更に深き霧に閉ざされた世界へと状態を進めていた。
 ただ……。
 ただ、秋と言う季節には相応しくない、肌に纏わり付くような――。妙に湿った。そして、冷たい大気が周囲には漂っている。

 そう。まるで、何か得体の知れないモノが、このブレスト
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