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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第62話 海軍食の基本と言えば?
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に関しても、俺の好みの女性がそう言うタイプの女性だったと言う事なのでしょう。

 しかし……。

 その狭い部屋の中を一周、そして、更に一周分、余計に見回した後、少しため息。

「まぁ、流石に、実家の屋敷の自分の部屋と比べたら狭いかも知れないけど、慣れたら意外に楽しいものだぜ、艦隊勤務と言うやつもな」

 俺のため息の理由を、そう言う意味に取ったヴェルーニーが、少し慰めるような口調でそう言ってくれました。
 もっとも、俺が吐いたため息の意味はそんな物ではなく、今回の任務が、俺では無くタバサが従事させられた時はどんな扱いに成ったのか、と考えたから、なのですが……。

 こんな閉鎖空間に、タバサのような可愛い女の子を一人で放り込むようなマネが出来る訳は有りませんし、そうかと言って、男装をして潜入するのも……。
 実際、イザベラはどうする心算だったのでしょうかね。

「それで、他の同室の乗組員の方は何処に居るのですか、ヴェルーニー先輩」

 ただ、ヴェルーニーに俺の正体は知らされて居ませんから、俺の心を占める考えなど判る訳は有りませんし、知られる訳にも行きません。
 そう考えてから、少し気を取り直した雰囲気で、それに、現実に今、疑問に思った事を聞いてみる俺。

「今は半舷上陸でここの部屋の住人達は、一週間は戻って来ないさ。ガリアは戦時でもないし、それでも充分だからな」

 そう答えるヴェルーニー先輩。そう言えば、確か、ガリアの両用艦隊の中心はここブレストですが、シェルブールには対アルビオン用の小艦隊が。そして、トゥーロンには、地球世界の地中海艦隊に当たる艦隊が存在していましたか。
 まして、トリステインとアルビオンは戦時。ゲルマニアも裏ではトリステインを支援して居ますから、この三カ国がガリアに対してチョッカイを掛けて来る可能性はない。そして、ロマリアとガリアが戦争を開始する可能性は薄い。

 このような状況ならば、全艦隊が緊張して居続けなければならない理由は有りませんか。

 まして、俺の正体……北花壇騎士団所属の騎士で有ると言う事を、少なくともガリア両用艦隊の提督や艦長たちは知って居るはずですから、艦の運行や戦闘訓練などの雑事で、捜査の邪魔をする場所に所属させる訳は有りません。
 少なくとも、俺のような存在は、邪魔者でしかないはずですから。彼らに取っては……。

「そう言う訳だから、荷物を置いた後はゆっくりしたら良いさ」

 部屋の中を一瞥した後に、そう言ってくれるヴェルーニー。その視線の先には間違いなく俺のベッドの上に居る湖の乙女の姿が映っているはずなのですが、その部分にはまったく気付く事もなく。
 成るほどね。この結果から判った事は、ある程度までのレベルの相手ならば、認識をずらした人払いの結界は
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